となりの佐野くん【佐野玲於】 (ページ27)

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『はー、おなかいっぱい』

玲於「お前食いすぎ」

『だって美味しいんだもん』

お祭りが始まって数時間

食べ物を食べ尽くした私たちはブラブラ歩いていた

玲於「A何食った？」

『えっと、かき氷でしょ、りんご飴、いちご飴、みかん飴とわたあめ、焼きそば、たこ焼き、カステラ、あとはね、んーと…』

玲於「太るぞってもう遅いか笑」

『うざ笑』

玲於「なー、ゲームしようぜ」

『いーよー、あ、ビンゴゲームしたい！』

そう言って走ると

『痛っ』

草履の前坪の部分が指の間と擦れて血が出てきた

玲於「お前、大丈夫かよ」

『だ、大丈夫！ほら、ゲーム行こ！』

せっかくのデート

こんなので台無しにしたくない

また歩きだそうとすると

玲於くんに腕を引っ張られた

『玲於くんどうしたの？ゲームは？』

玲於くんは何も言わないまま

神社の裏のベンチに連れていかれた

玲於「はい、座って」

『はい。』

玲於「足見せて」

『大丈夫だよ！ほら、ゲーム…』

玲於「ゲームなんかよりお前のほうが大事だろ」

そう言った玲於くんの顔はいつもよりも澄んでいて

暗闇でも分かるぐらい顔が赤かった

『どうしたの、今日の玲於くんなんかへんだよ』

そう言っても何も言わない玲於くん

『私、玲於くんを怒らせるようなこと何かした？』

玲於くんが怖くて、この状況が苦しくて

私はいつの間にか目に涙を浮かべていた

『ごめんね、私、ワガママだよね。』

『玲於くんが怒るのもわかるよ。皆にはサバサバしてるとか言われるしこの性格だから頼ってもらう方が多いけど、』

『玲於くんだから甘えてたのかもしれない。』

ああ、私何言ってるんだろう

これ絶対玲於くん困らせてるよね

『ごめんね、本当に。私は大丈夫だから、帰ろ』

そう言っても動かず私の前にしゃがんだまま

『私、帰るね』

玲於くんにバレないように

声を殺して泣きながら帰ろうとした

玲於「待てって」