影が十八 ページ19
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「…影が薄いってなんか地味だな」
絵心の言葉に続いて五十嵐がそう呟いた
少し、いやとても失礼だ
その場にいる何人かはそう思ったのか苦笑して五十嵐を見る
「お前、ベンチだったからわかんなかったのかも知んないけどあれめちゃくちゃ厄介なんだぞ?」
「そ〜そ〜。目を放したらいつの間にかいなくなってるもんな」
すぐに五十嵐の言葉に否定を入れる千切と乙夜
その声は呆れを混じえている
「そ。それがあいつの武器だ。存在感っていうのは,その場にいる人間からの自分の注目度をしめす。
あいつは無意識に極限まで自分の影を薄め、その場に紛れる。言ってしまえば現代の本物の忍者だな」
「忍者は俺なんだけどー」
「張り合うとこそこなん?」
゛現代の忍者 ゛という言葉に一番早く反応する乙夜
まぁ自分が忍者と言われていれば当たり前なのかもしれない
そういうところで拗ねる部分、やっぱり彼はまだ高校生だ
絵心は彼らの様子を一見すると、彼らに背を向けた
「もうここまで言ったら自分らで対策ぐらいもうできてるでしょう。二子」
「はい」
「お前は黒古をマークしろ。この意味がわかるな?」
「!はい」
これぐらいわかるだろというふうに視線を二子に向けると、二子は一瞬目を見開いたが、しっかりと頷いた
「以上。フォーメーションは変えない。後半の指示はひとつだけだ」
「圧勝しろ。主役はひとりでいい」
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胡春(プロフ) - ありがとうございます?笑 (2023年1月2日 15時) (レス) id: 289535ebf9 (このIDを非表示/違反報告)
あノ - 神ですかね・・・ (2023年1月1日 22時) (レス) @page7 id: ff248e80c5 (このIDを非表示/違反報告)
胡春(プロフ) - ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!これからも頑張りたいと思います! (2022年8月10日 20時) (レス) id: 289535ebf9 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - 初コメ失礼します。すごく面白いです!応援しています!頑張ってください!! (2022年8月10日 17時) (レス) @page26 id: 62e83b8f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡春 | 作成日時:2022年3月19日 14時