・潔癖症もかなわない Regulus Arcturus Black リクエスト ページ35
『うわっ...！』
大きな音とともに、私が運んでいた大量の本が、どさどさと崩れ落ちていく。
マダムピンスが「静かに！」と私をものすごい形相で睨みつけた。
私は『あ〜あ...』と小さな声で呟き、本を拾おうとすると、隣から別の手が伸びた。
「大丈夫？」
男子生徒は私に優しく微笑みかけると、本を拾い上げた。
『ありがとう』
私は本を置いてもらうと、ぎこちなく微笑んだ。
男子生徒が去った後、すぐさまローブのポケットから白い布手袋を取り出すと、
ピカピカに磨き上げられた杖を握って、私は彼の触った本に向かって、
何度も「スコージファイ！」と唱えた。
そう、私は極度の潔癖症だ。
私にとって"素手"とは凶器も同然である。
この潔癖症はあまりにも度が過ぎると、自分でも自覚しているのだが、
そのせいで何度も人を傷つけてしまっている。
仲の良いレギュラスには、克服するよういつも色々言われているのだが。
＊
レギュラスと一緒に夕食をとり、先に大広間を出ると、
ある男子生徒に呼び出され、私は暗い空き教室に彼と二人きりだった。
「あのさ、A。俺...お前のこと好きなんだ」
まだあどけなさの残る、私と同じスリザリン寮で同学年の少年は、
少し頬を赤く染めて言った。
夜の空き教室で告白とは、ロマンチックなシチュエーションではあるが、
生憎私は彼に全く気がない。そう思って断ろうと口を開いた。
『ごめん、私―――――』
口を開いたのもつかの間。彼と私の顔の距離が、ぐんと近づく。
何か柔らかいものが私の口に触れた。私は驚きのあまり、しばらく硬直していた。
『...あ、あの、私』
少年は私を期待の眼差しで見つめている。しかし、今の私には彼に気を遣う余裕もなかった。
彼には悪いが、言わせてもらおう。
好きでもない人からのキス、さらに潔癖症の私にとってそれは、
"拷問"以外の何物でもない。
目に涙を浮かべ、今にも泣きそうな私に、少年は顔を曇らせた。
「あ...A...？」
私は何も言わず、そのまま教室を飛び出してしまった。
・潔癖症もかなわない ２ Regulus Arcturus Black リクエスト→←・もどかしい関係 ２ Harry Potter リクエスト
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スピカブラック - イレイさん» まだですか？ (2020年10月20日 2時) (
レス) id: b5e377f0b8 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクでセブで甘で書いて下さい (2020年9月24日 3時) (レス) id: b5e377f0b8 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - いつも読ませてもらってます！よければジョージと夢主ちゃんがホグワーツでラブラブする話をお願いします！ (2020年3月21日 11時) (レス) id: e2056a58cc (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - 出来ればで大丈夫です。頑張ってください(*’ω’*) (2018年7月23日 21時) (レス) id: b6f3460812 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - リクエストokなら、フレッドをお願いします。シチュエーションokなら、ケンカップルやったけど、結婚を約束していた2人。でも、最期の戦いで夢主ちゃんが、フレッドを庇って死んじゃうのでお願いします。因みに夢主ちゃんは、手紙を書き残したので、お願いします。 (2018年7月23日 21時) (レス) id: b6f3460812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イレイ | 作成日時：2015年8月11日 10時
