元祓い屋の現怪異。

＠４１ ページ43

『晴らしたいに決まっている』


そう言うと、つかさくんは嬉しそうに笑った


つかさ｢だよねだよねっ！俺、そーゆーA大好き｣


『はらさないけどね』


つかさ｢うんうん…え？｣


『当たり前じゃん』


つかさ｢なんで、Aは強くなったのに…｣


『だからだよ。もしわたしがそうしたら、わたしがしてることはあいつが昔私にした事と一緒だよ』


つかさ｢…だったら俺に頼めばいい｣


『え？』


つかさ｢俺は怪異さ。何か1つを代償に呼びだした者の願いを叶える｣


『もっとやだ』


他人の力で嫌いな人を欺きたくない


『光、立てる？』


光｢も、ちょっと｣


つかさくんが話してるのを聴きながら、わたあめとわたがしにあまねを呼び出すよう伝えた


つかさ｢彼は願って俺は応じた。だから俺は願いを叶える。俺のやり方でね｣


そう言ってつかさくんはラジオを置いた


ラジオ…？


つかさ｢さあミツバ、君の願いを叶えてあげるね！｣


だめ、だ


つかさ｢サクラ！準備できたヨー｣


ミツバを怪異にするつもりだ


サクラ｢こんな噂を知っていますか？”昇降口の首折りさん”｣


ミツバ｢！？｣


『ミツバ！！』


必死につかさくんからミツバを奪い取って抱きしめた


サクラ｢中等部の昇降口に出る、首の折れた幽霊のお話｣


『ミツバ聞いちゃだめ！』


サクラ｢彼はとても寂しがり屋の幽霊なので｣


『友達が欲しいんだったら＿＿＿』


サクラ｢あなたに話しかけてくるかもしれません｣


『＿＿わたしも光も、友達になるから！』


サクラ｢ねえ…｣


ミツバ[僕のこと忘れちゃった？]


光｢三葉…！｣


『光っ…どうしよう』


ミツバをただ抱き締める


サクラ｢もしも彼の名前を答えられなかったなら、その時は………首を折られて彼と同じ姿にされてしまうでしょう｣


こんなの違う


こんな姿になってまで願いを叶えたいわけない


ミツバが巻いてくれたマフラーを握りしめる


ミツバが苦しそうに声をあげた


『ミツバ、マフラー嬉しかったよ…。ありがとう…だからまだ…』


そうだ、いっそミツバを祓えば


矛を振り上げると後ろから
すごい力で引っ張られた


つかさ｢勝手なことしないでよ、A｣


『やだ！こんなの違う！間違えてる！』


つかさ｢でもこれがミツバの望んだことだよ！｣


『離して！ミツバのとこにいかせて！』


つかさ｢やだ｣


『うるさい離せつかさ！』


つかさ｢…呼び捨てしてくれた、嬉しい｣


つかさくんは嬉しそうに目を細めた


『！？』

＠４２→←＠４０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す