不幸な愛のお話 (ページ7)

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1周目＜ Ⅵ ＞ページ7

この研究所には窓も時計も一切無いため、時間がどれくらい過ぎたのか分からない。もしかしたら数日は過ぎてるかも…

『…早く帰らないと神父様が心配しちゃう』

チ「Aちゃんは家族が居ないんだもんね」

『何でも知ってるんですね…』

チ「強盗に殺されたんでしょ？人間って本当に貪欲で怖いね」

貪欲…チョロ松さんにぴったりに言葉だな

『…神父様に会いたい』

たった1日教会に行かなかっただけででも、町中を捜索するほど心配性な神父様だ。

チ「あの過保護神父なら大丈夫だよ笑」

はっとした。

『神父様には、何もしてないですよね、？』

チ「…神父の話はやめない？せっかく2人で居るんだし」

『…まさか、』

チ「次の部屋行こうか」

神父様が居なくなってしまったら私は─

『…やだ』

チ「Aちゃん」

『神父様に…何…したんですか』

チョロ松さんは私を無理やり引っ張ろうとする。
上手く息が吸えなくて声が震えた

チ「何もしてないよ」

『何もってs』

瞬間、私は肩を掴まれてものすごい力で壁に押し倒された。

『いっ』

チ「あんな過保護野郎より僕の方がAの事もっと知ってるし、僕の方が強いし何であんな奴に拘るの？何で僕の愛を受け止めてくれないの？何で僕のこと信じてくれないの？あんな死にかけの神父のことなんて忘れてよ」

チョロ松さんは別人みたいで怖かった。彼の翠色がかった瞳の瞳孔が開いてるのが見えた。

『＿ぁ』

さっきから酷い目眩と寒気がして立っていられない。

チョロ松さんが我に返って倒れ込みそうになった私を受け止めた。

チ「ごめん、ちょっと感情的になりすぎたね」

全身から血の気が引いているが分かる

あれ、私死ぬのかな
なんかそんな気がする

寒い

ぼんやりした視界の中でチョロ松さんの顔が見えた

声が出ない
怖い

意識が遠のいてく

天国で神父様と会えますように…

「もうちょっとで…やっと─」