不幸な愛のお話 (ページ4)

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目覚め〈 Ⅲ 〉ページ4

『……ん』

目を開けると、心配そうに微笑むチョロ松さんの顔があった。そうだ、私は確か倒れて…

チ「やっと起きた…大丈夫？」

『ぁ…すみません、ありがとうございます』

どうやら私が倒れてからずっと膝枕をしてくれていたらしい。申し訳ない…

チ「熱でもあるのかな」

そう言って私の頬を撫でるチョロ松さんの手は相変わらずとても冷たかった。

それはもう、人間とは思えない程に。

『チョロ松さんの手ってとても冷たいですね』

無意識に声にでていた

チ「…体質かな」

チョロ松さんの笑顔は相変わらず偽物みたいだった。

『……さっき私が気を失ったとき、生気をs』

チ「それより体調は大丈夫そうなら、早めに鍵を探し始めた方が良いんじゃない？」

あからさまに遮られた。嫌な予感がする

『…』

チ「Aちゃん？」

『もしかして、チョロ松さんはインキュバス…悪魔なんですか？』

私の頬を撫でていたチョロ松さんの手が止まった、と同時に笑顔も消えた

どうやら図星だったらしい。

チ「君はやっぱり勘が良いんだね。あの神父にでも教わったの？」

殺される…！
とっさにチョロ松さんから離れようとしたが、腕を掴まれた。

『離して！！』

チ「落ち着いてAちゃん。僕はね、君の魂が欲しいだけなんだよ」

『な、ならどうして私が気絶してる間に殺さなかったんですか…？』

するとチョロ松さんは一瞬きょとんとした表情になり、1人で爆笑しだした。

チ「Aちゃんは面白いこと言うね笑笑一目惚れした人を殺すような趣味は、僕には無いよ笑」

今度は私が困惑した。
私の魂は欲しいけど殺したくはない…？矛盾してるじゃないか

『…じゃあ貴方は私にどうしてほしいんですか？』

チ「さっきも言ったでしょ」

チョロ松さんは私の髪を撫でながら笑顔に戻った。
でもそれはさっきまでとは違う、うっとりした笑顔だった。

チ「Aちゃん、僕は君に惚れてるんだよ。だから殺したくは無い。でも君は人間だし、どうせすぐ死ぬなら悪魔(僕)に魂をあげて、永遠に一緒に居た方が効率が良いと思わない？」

『……つまり貴方は、私に自ら魂を捧げてほしいという事ですか』

チ「そういうこと」

もし私が断っとしても、この研究所から出るのは不可能に近いだろう…あまりにも私に不利すぎる。

少し間沈黙が流れた