不幸な愛のお話 (ページ12)

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▷暗室ページ12

取り敢えず、まだ行ってない暗室に行こう。
扉を開けると、そこには大きな振り子時計と棚があった。

『時計…！ここに誘拐されてからどれくらいたったのか分かるかも！』

時計は9:30を指していた。ここに来てからたぶん数日たってるだろう

『あれ…？なんか光ってる？』

振り子がある部分の扉を開けると、そこには鍵があった。

『どうしてこんな所に…とにかく早く出なきゃ』

暗室から出て出口に向かうと、倒れてた筈のチョロ松さんは居なくなっていた。

『まだ生きてたのかも…ごめんなさいチョロ松さん』

そして私は、ついに出口の扉を開けた。

研究所には窓が無かったから分からなかったけれど、外はすっかり暗くなっていた。

『私、脱出できたんだ…』

急に実感が湧いて泣きたくなった。

『帰ろう…神父様が待ってるもんね』

そうして小走りで教会へと走り出した。

何かがおかしい

『ここ……どこ……？』

そこは知らない街だった。
見たこともないような建物や街並みが広がっている

『でも…あの廃墟からは、海岸沿いを歩けば教会に着くはずなのに』

教会は…家は…どこ？

『もう…終わったんじゃないの……？何でこうなるの？』

訳が分からなくて泣いていると、目の前の電柱に貼ってあるボロボロの紙が目に入った。

『これって…』
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捜索協力のお願い
× × A (15)
身長 140～150cmくらい
(顔写真)

20xx/xx/xxに、教会から出たまま行方が分からなくなっています。

連絡先 xx警察署 076 - ███ - ███

21xx/xx/xx
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え？
最後の日付がおかしい

『21xx年って…50年後の日付…？どういうこと…？』

「……Aちゃん、神父に会いたいの？」

後ろにチョロ松さんが居た。
これも夢なのか？もう訳が分からない

『……会いたい…です』

チ「じゃあ、案内してあげる」

チョロ松さんは私の手を引いて歩き始めた。