120,《百花繚乱篇》 ページ48
土方side
『いやぁだァ〜!!』
バタバタと手足をガキのように振り乱すA
右手には誰からかもらった手紙を握っている
近「そんなにイヤなら断りゃいいだろ?」
山「そうですよ総長
朝からご近所迷惑もいいとこですって」
『断りでもしたら武州での私の評判が下がるだろ!』
沖「評判なんぞこれっぽっちも心配してねぇ癖して何言ってやがんでィ」
土「ったく朝っぱらからうるせぇんだよ切腹させんぞ」
『兄さぁ〜んこれ見ろよ!』
俺の存在に気づいたらしく体をグルンと回転させ寝転がったまま俺に握っていた手紙を手渡す
手紙の内容はこうだ
拝啓
春暖の候 ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、上京して早数年、如何お過ごしでしょうか。
武州の頃から文武両道、容姿端麗なAちゃんは素敵な相手を見つけましたか?
もしかして道場にいた栗色の男の子と結ばれてたり、
私は好いた相手と先日婚約致しました。
新婚旅行に宇宙の惑星も好ましいと思ったのですが江戸をゆっくりと探索してみようと思います。
そこで、私達の子供を2人預かって頂きたいのです。
江戸に知り合いが少なく
公務員という安心出来る役職へとついているAちゃんに頼むしかありませんでした。
この手紙が届く頃に、真選組へ伺います。
末筆ながらますますのご活躍をお祈り申し上げます。
敬具 百花繚子
山南A様
土「しっかりした娘じゃねぇか子供の1人や2人
預かってやれ」
沖「あり?土方さん覚えてやせんか?
百花繚子と言えば武州でAの次に麗人だって言われてた娘で、何かにつけてAと張り合ってたヤツですぜ」
近「確かに別嬪だったが男を見る目がつくづくなかった可哀想な子だよ」
土「子供に罪はねぇだろ、A子供嫌いだったか?」
『私が嫌いなのは子供じゃなくて繚子だ!
武州にいた時は目の敵にしてやるって張り切ってた癖にいきなりこんな丁寧な淑やかさ気どってコノヤロー!!』
土「何がそんなに気に食わねぇ?
好きにさせときゃいいだろ」
近「きっと武州の頃の数少ないライバルが自分の知らねぇうちにすっかり女らしくなって悲しいんだろう」
沖「そして数少ない友達を失って混乱してるんでさぁ」
『誰が数少ない友達だ、あぁ゛?』
「サンちゃん、故郷からのご友人だと言う者が男と子供2人連れて屯所に来てます」
『来たか...部屋まで通せ』
「はい!」
┈┈┈┈┈┈┈┈
『遠くから大変だったな繚子』
繚「ホントに長かったわ」
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おとか | 作成日時:2022年9月28日 17時