初期刀？いいえ、初期槍です。《参》【刀剣乱舞】

その５ ページ34

『ハァ…まったく、こんな事で悩むなんてあんたらしいな』


「！！あ、貴方達はっ！」


悪魔『ホラホラ、いいから使っちまえよぉ、主。早くそいつらを顕現させた方が身も心もラクになるぜ…？』


天使『主、惑わされてはいけません！今顕現したら貴方が気絶してしまう可能性もあるのですぞ、ひとまずは燭台切殿に相談しに行きましょう！』



「……」



…なんか、


想像以上にゴツい天使と悪魔が来たな。


普通に等身大だし、滅茶苦茶見覚えのある顔だし。角、尻尾、輪っかと羽根つけてるだけじゃん君達。


悪魔『おいおい、二人共あんたが顕現してくれるのを待ってるんだぜ？ほら今にも寂しそうな顔をした刀剣がこっちを見てる……』


天使『そやつに騙されてはいけませぬ、主！男士より自分の健康を心配するべきでしょう、早く燭台切殿か太郎太刀殿の元へ！』


悪魔『あぁ？お前俺の言う事に口出しすんのかよ』


天使『何を、主を危険に晒すよりかはマシだろう！』


まずい、なんか喧嘩始めたぞ天使と悪魔。

やめてくれ、なんでよりによって私を挟んで争うんだ。

大体君達は遠征に行ったんじゃないのか、今頃みんなで楽しくお弁当でも食べてるんじゃないのか。


そんな事を考えながらも、私は彼等にツッコむのも面倒だったのでスルーしていた。


だが、その時……


『ちょっと待ったあぁーっ！！』


『『「！！！」』』


突然誰かの声がしたかと思いきや、天使と悪魔同様半分透けた状態の人がポンッと現れる。


悪魔『なっ、誰だお前は！』


『俺か！俺はな、


御手杵だ！！！』



…お前はそのまんまなのかよ。


突然この場に割り込んできた半透明の御手杵君。するとさすがの悪魔さんも怒ったようで…


悪魔『なんだお前、邪魔すんじゃねえ！』


御手杵『待て、お前等の言いたい気持ちもよくわかる！

日本号は手伝い札を使わせたいし、蜻蛉切は主にワンクッション与える為に燭台切達に相談させようとしている！そうだろ！？』


そう御手杵君が聞けば、二人は頷く。っていうか名前言っちゃったよこの子。


御手杵『で結論から言うと、俺はどっちも正しいと思う！

だから燭台切に相談して、側にいるって了承してくれたら手伝い札を使わせるのはどうだろう！？』


「…っ、

お、」


おおおぉぉ！！御手杵君にしては頭の良い回答を頂いた！


――だがそれを聞いた悪魔、もとい日本号さんは微妙な表情を浮かべる。

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