初期刀？いいえ、初期槍です。《参》【刀剣乱舞】

その７ ページ22

そんな彼が引き連れている男士は…山姥切国広、後藤藤四郎、加州清光、にっかり青江、宗三左文字、獅子王か。

練度は私より少しだけ上。この人も最近審神者始めたのかな？


「ええ、もちろんです！」


そう返せば、お兄さんは優しく微笑む。


審神者「フフッ、ありがとう！お互い良い勝負にしましょうね？」


「はい！みんな、準備はいい？」


御手杵「いつでもいいぜ！」


相手が戦闘態勢をとって並ぶ中、私もまた自分の部隊に声をかけて態勢を整える。


『それでは…はじめッ！！』


そしてスピーカー上の合図と共に、私の初演練が幕を開けた。


するとまず相手の後藤藤四郎やにっかり青江が、刀装で差をつけて一気に突っ込む。

だが比較的機動の早い御手杵君や長谷部さん等も負けてないようで、彼等の攻撃に耐えた後更に攻撃を繰り出す。

太郎さんの一振りで大幅に有利になったと思いきや、すぐに相手のすばしっこさに苦戦したり。見てるだけでドキドキが抑えられない程の戦いだった。


――そんな激戦の中、私と審神者のお兄さんは一緒にその姿に魅入る。


「…凄い。」


本丸内で男士同士の鍛錬を見学した事はあったけど、こんなにも間近で彼等が本気で戦うのを見るのは初めてだ。


――凄い、なんて単純過ぎる感想だと思うかもしれないが、いざとなって至近距離で観戦してみるとあまりにも圧巻されてそれ以外言葉が出ないというのもまた事実。


普段はみんな平和主義だったりどこか抜けてたりするのに、本体を持つだけでこんなにも変われるんだもんなあ……


まるでまばたきをするのを忘れそうになる程試合を観ていると、お兄さんはそんな私を見て笑う。


審神者「その様子だと、演練は初めて？」


「はい！少し前に、ようやく出れる事になって…！」


審神者「なるほどね。」


『アタシも前までは貴女と同じだったわ』、とお兄さん(オネエさん…？)は自身の鮮やかな爪紅をいじりながら話を続ける。


審神者「でもやっぱり素敵よね、刀剣男士が戦うところって」


「ね、とってもかっこいいですよね！」


『憧れるなあ』と言えば、お兄さんは『それはこっちのセリフよ』と返す。


「ん、どういう事？」


審神者「とぼけんじゃないわよ、もう…あんたの部隊が羨ましいって言ってるの。

イケメンに囲まれて、羨ましいこの上ないわ〜」


『アタシも鍛刀とか頑張ってんだけど、中々ねえ…』と悩みを打ち明けてくれるお兄さん。

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