初期刀？いいえ、初期槍です。《参》【刀剣乱舞】

十本目『オネエ × JK = 最強』 ページ16

――デカブツ本丸に、また朝がやってきた。


「…うぅ…だるい……」


先程から延々と鳴っている目覚まし時計を止め、私は顔をしかめながらも寝返りをうつ。


只今の時刻はいつも起きている時間と同じ、7時ちょっと過ぎだ。

普段なら私もこのまま元気よく起きて他の男士達を起こしに行くのだが、今日は少し低めの気温のせいか、中々気持ちよく起き上がれない。


「ああ……そういや今日、演練だっけ……」


――大太刀兄弟が顕現してから丁度二週間。ついに演練デビューとなった私は、この日までにずっとあの二人を中心に男士達の練度を上げていた。


戦や遠征に行きまくり、怖がりながらもなんとか勇気を出して太郎太刀さん達と仲良くなったりした結果、恐らくもう問題はないってくらいにまで強くなったからいいんだけど……


…だるい。何度も言ってるけど、今全然起きれる気がしない。


あーあ、誰か起こしに来てくれないかな……


ふふふ、と適当に笑いながらそう考えていた、


その時だった。


「あ〜るじッ、起きる時間だよーん！！」


「どわあぁああっ！！？」


突然襖が開いて次郎太刀さんの声が聞こえたかと思えば、私はブワッと宙に浮く。


何事！？と思ったが、どうやら次郎太刀さんがテーブルクロス引きをやるかの如く、私の布団を思いっきり引っ張り上げた様で……


「あっだぁあっ！！」


…私はその反動で、すぐ近くにあった箪笥(たんす)に頭をゴンッとぶつけてしまった。


次郎太刀「あっ、ぶつけちゃった！？ごめんごめん！」


『大丈夫？』と苦笑しながらすぐさま腫れた頭を擦ってくれる次郎太刀さん。

おう、お陰で目が覚めたよコンチクショー。


「次郎さん、起きなかったのは謝るけど、もうちょっと優しい起こし方とかさあ……」


次郎太刀「でも兄貴に起こされるよりかはマシでしょ？」


「それには激しく同意するけども」


太郎太刀さん、前次郎太刀さんと同じ手法で鶯丸さんを起こしに行った時なんか鶯丸さんを天井まで吹っ飛ばしてたからね。どんだけバカ力出せば気が済むんだよって話。

その２→←≪おまけ≫デカブツ本丸社歌

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