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女の子。 ページ22
◆翔ｓｉｄｅ◆
両想い、なんて思ってなかった。
勢いで告白してしまった、から。
もう少し時間をかけて、彼女の事も知りたいと思っていたし、俺の事も知って欲しいと思っていた。
それなのに、一時の感情で勢いに任せて告白してしまうなんて…
勘違いされている…そう思ったら、何としてもこの誤解を解かなくちゃ、そう思ってしまった。
余裕、ないな。俺…
勢いでした告白は、自分の想いの全てを伝える事は、全然出来なくて、上手く言葉を紡げなくて、もどかしくてたまらなかった。
でも、Aちゃんが俺にくれた“好きです”の一言は、ただそれだけで十分で満たされた。
小さくて華奢なAちゃんの身体を抱きしめる。
花のような優しい香りが体温と共に伝わってきて…
そこから十分過ぎる位“女の子”が伝わってくる。
腕の中で恥ずかしそうに俯くAちゃんの表情が、俺からは全然見えなくても、耳のフチまで赤く染まっている所をみて、心の中がホックホクになる。
駐車場から車を出して、走らせる。
お互い何も話さないけど、この沈黙すら幸せを感じて、愛おしい時間になっていく。
重ねたままの手が、そう思わせてくれている。
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作者名：晴日。 | 作成日時：2012年12月18日 23時
