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想い。 ページ20
「俺の目を、見てくれますか？」
櫻井先生の柔らかくて優しい声。
その声に導かれるように顔をあげると、櫻井先生が私を見つめていた。
翔「好きです。」
時が・・・
時が止まったように感じた。
翔「…突然こんなこと言ってゴメン。本当は、こんなタイミングじゃなくてちゃんと言いたかったんだけど。・・・でも、Aちゃんには誤解されたくないからさ。」
んんっ、と一つ咳払いをしてもう一度、櫻井先生は私を真っすぐに見つめてくれた。
翔「俺が好きなのは一人だけ。Aちゃんだけだから…。」
真っすぐな視線とその想いが心に刺さる。
櫻井先生のまん丸で黒い瞳に私が映る。
翔「仕事に対しての姿勢も、患者さんやドクターに対する心遣いも…Aちゃんと一緒に仕事させてもらって、ホント色んな事に気付かせてもらって、尊敬もしてる。」
一言一言、ゆっくりで丁寧で優しい言葉。
翔「一日、一日…一緒にいる時間を重ねていくほどに、Aちゃんの事を好きになっていく自分がいたんだ。」
その櫻井先生からの一言一言が、ツンツンしていた心をじんわりと温め、まぁるく柔らかくしてくれた。
A「・・・。」
櫻井先生の言葉が心を満たし、涙となって溢れていく。
翔「・・・ゴメン、泣かないで。…でも、ずっと伝えたかったんだ。」
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作者名：晴日。 | 作成日時：2012年12月18日 23時
