04 ページ4
「今度メシでも行こうや」
『ありがと』
ぽん、と私の頭を軽く叩いて
村上は帰って行った。
家族の待つ村上に
今日呑もうだなんて言えなくて。
デスクの上でのたうち回ってると
いつの間にかフロアは私一人だけ。
『あーあ。もうやだなあ』
「…まだ残ってたんですか？Aさん」
『うわっ、びっくりしたっ』
「いや、びっくりしたのはこっちの方ですけど。死んでるかと思いました」
『いや、もう死にたいですけど』
「△×社さんの件ですか？」
『はい…本当にすみませんでした』
「んー、まあ仕方ないですよ。次、同じミスしなければ良いんですから」
『次あれば良いんですけどねぇ』
「……Aさん」
『なんですか？課長』
「…呑める人ですか？」
『へ？私？』
「いや、Aさんしか居ないでしょ」
『はは。そうですね。お酒は大好きですよ』
「じゃあ呑み行きましょう。奢りますよ」
『え』
「たまには上司らしい事でも……」
『いや、別に気を遣わなくてもいいですよ、課長』
「…もう、ええですから。行きますよ」
と、課長と呑みに行くことになり
会社の近くの居酒屋へ行く事になった。
「僕、東京来たばかりでお店知らへんのですよ。やからAさんのオススメの店に行きましょう」
私のオススメの店。
村上が結婚する前によく来てた店。
「お、日本酒いっぱいあるやないですか」
『課長お酒呑める人なんですね』
「酒ばっか呑んでます」
『意外』
「そうですか…？」
『うん。凄い真面目に見えるから』
ははっと笑った課長。
おしぼりで手を拭いて
メガネを一瞬外して顔も拭く。
『焼酎も沢山あるんですよ、ここ』
「ほんまやあ、何から呑もうかな」
『明日休みだからって飲みすぎないで下さいね』
「Aさんこそ」
最初、私は麦焼酎にした。
課長は日本酒の冷だった。
2杯目、私は日本酒を呑んだ。
課長はまた日本酒の冷だった。
………記憶があるのはここまでだった。
。
。
。
…あれ、ここどこ？
見慣れない天井。
大きなベッド。
隣に知らない男の人。
何となく、昨日の記憶を辿る。
あれ、大倉課長と呑んでたよね？
その後どうしたんだっけ？？
「今何時…？」
低く掠れた声で私に時間を聞く男の人。
びっくりした私を見て察したらしい。
「もしかして覚えてへんの？昨日のこと」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sangozygo(プロフ) - やすこさん» やすこさぁぁぁん！いらっしゃいませ！最近書いてないんですけど読んでくれる人がいる限りがんばりまーす (2021年7月9日 16時) (
レス) id: 5fab4b2048 (このIDを非表示/違反報告)
やすこ(プロフ) - お久しぶりです。また、一人で、キュンキュンしながら一気読みでした。村上さんの優しさがたまらんです。言われたい。大倉氏も年下だけど、いい。すごくいい。貴方の前でしか呑まないです。そして、sangoさんのお酒の知識にいつも勉強になります。また、待ってます。 (2021年7月9日 8時) (レス) id: ece002bc32 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - まりえさん» まりえさん、ありがとうございますっ。何か浮かんできたら課長書きたいなあとは思ってるのですが…予定は未定です。頑張ります(笑) (2021年1月13日 20時) (レス) id: 5fab4b2048 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - kuraさん» kuraさーん、いつもありがとうございます。年下敬語伊達メガネ、私の好きを詰め込みました(笑) (2021年1月13日 19時) (レス) id: 5fab4b2048 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - kururiさん» kururiさん、初めまして。コメントありがとうございますっ。楽しんでもらえたなら幸いです。また良かったらきてくださーい。 (2021年1月13日 19時) (レス) id: 5fab4b2048 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sangozygo
| 作成日時：2020年12月23日 20時
