スパンコールな波際で。(緑)

14 ページ14

お母さんから
たーくんがゲーセン行って補導されて
停学を食らったと聞いた。


たーくんが珍しく学校に休まず通ってたのに
ってうちのお母さんも心配してたから
USJ連れてってあげようと思ったのに
遊びに行くのも禁止されてて。

まぁ、たーくんのご両親が怒るのも分かる。


いつになく反省してるのが分かったから
たーくんのお母さんに了解を得て
海へと連れ出した。





小さい頃うちの親と良く来た海。
たーくんも連れてきてもらったこと何度もある。


コンクリートの出っ張りに腰掛けて
ぼーっと水平線を眺めてると
たーくんがボソボソと話し出した。



「AちゃんとUSJ行きたかった」



『じゃさ、二学期休まずに学校行ったら冬休みに行こうよ』



「ホンマに…？」


『休まなかったらね。連れてってあげる』


「ん、頑張る」



『たーくん、ここ小さい頃来たの覚えてる？』



「覚えとるよ。Aちゃんガンガン、ナンパされとったもん」



『え、そうだっけ？』



「そうやで。チャラいオトコ達にどんだけ声掛けられとったん、あん時中学生ぐらいやろ？ホンマに早熟やわー」



『早熟って…』



「はよ大人になりたい」


『そう？大人も大変そうじゃない？』



「はよ大人になってAちゃんに釣り合うオトコになりたいねん」




『ははっ』



「なんで笑うん？俺真剣やで？」




『え、たーくん弟にしか見えないし』



「…っとにこれやもん」


『…だってすっごい小さい頃から知ってるんだよ？弟じゃんか』


「…俺真剣やってゆうた」



『…え』



たーくんの腕が伸びてきて
あたしの頬を抑えて。


重なる唇。




「俺、ずっと前からAちゃんしか見てへん」



『…』



「これ、俺のファーストキスやで？」



『…たーくん』




「…Aちゃんが俺の事弟みたいにしか思うてへんのも知ってる。彼氏がいつもおる事も知ってる。でもいつか絶対振り向かせてやるから」




『たーくん』



「見とれやっ！いつかAちゃんから好き言わしたるからなっ」




ないない。

ないない。

たーくん今中学二年生。
14歳だもん。

子供じゃん！！コドモ！！


あたし19歳で来年20歳。


これでたーくんに手を出したら犯罪じゃね？


ないない。

ある訳ない。

元々年下興味無い。

あたしは大人のオトコが好きなの。


まぁ、たーくんも高校行ったら
他に好きな人とか出来るっしょ！
カッコイイし、選びたい放題じゃん。

15 緑→←13 緑

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す