スパンコールな波際で。(緑)

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Aちゃんは専門学校に行くことになった。

どうやらプログラミングの学校らしい。



本人曰くまだまだ遊び足りないけど
大学に行くほど勉強もしたくない、
でも就職に役立つ資格は欲しいんやと。


まぁ、下手に大学行って
チャラい奴らに絡まれることを考えてらマシか。
ほんまに声かけられる率半端ないで？



「たーくん、おはよ」



玄関先でAちゃんに会った。

ぐはっ！私服スカート短っ！


そんなに足を晒したらあかんかやんか。




「たーくん、1時間目間に合うの？」


「間に合わへん」


「早く行きなよ。2年生でしょ」




リュックサック背負って俺は中学へ向かう。


つまらんなぁ。

仲ええ友達もそんな居らへんし。



『大倉、遅刻何回目？親呼び出しするぞ』


「あ？呼びたかったら勝手に呼んだらええやん」


『なんだその口の利き方は！』




金髪も直さへんかったから
先生にも目をつけられ
怒られてばっかりで。

毎日、毎日、ホンマにつまらん。

義務教育なんて誰が決めたんやろ。

家でゲームでもしてる方が楽しいわ。



あーあ。

帰りてぇ…。


Aちゃんは専門学生になって
駅前のオシャレなカフェでアルバイトを始めた。


ここなら俺かて行けるし！


あ、制服はまずいな。


学校サボって早退して
少しでも大人っぽく見える格好に着替えて

Aちゃんのアルバイト先に来た。



「たーくん…学校は？」



「サボった！」



「馬鹿っ、何やってんの。帰りなさい」



「ええやん、学校つまらんもん」



『Aちゃん、知り合い？』



「あ、すみません…」



店の人がAちゃんに声を掛ける。
バイト先来て迷惑やったんかな？
でも俺は客やし！ええやろ？



「…もう、ランチ食べたら帰りなよ」



「分かった…」



窓際の二人がけの席に座って
スマホ見ながら注文したチキン南蛮のランチを待つ。



俺も早くバイトしたい。

お金稼いで好きなことしたい。

中学生の出来るバイトとか新聞配達ぐらいか？

なんか無いかなぁ。




『…キミ高校生？』


隣のおばちゃんに話しかけられて


「いえ、中学生です」と

誤魔化せばええのに正直に言うてまった。



『…中学生？こんな時間に何してるの？私…警察のものだから補導しなきゃいけなくなるんだけど？』



「ええっ、それは」



やばいと思った。

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