ノクターン(青)

25 ページ25

out

日曜日。

泣きながら目が覚めた。
悲しい夢だった。



もう何もやる気が起きなくて。

でも、しょーたが目覚めますようにって

ずっとずっと祈ってた。


その日からしょーたが夢に出てくることはなかった。


エミに全てを話して、
エミも泣いていて、それでまた泣いた。


しばらくして、ネットニュースで見た。



関ジャニ安田章大、意識戻る。


ネットの中の関ジャニファンは
それはもう大喜びで。
しばらく安田章大祭りだった。

またそれからしばらくして


関ジャニ安田章大 仕事復帰
年明け春のコンサート出演。

というニュース。

それからというもの
しょーたが関ジャニに復帰して
関ジャニの勢いは止まらなかった。

歌にテレビに舞台に。

関ジャニをテレビで見ない日は無いっていうぐらい。


しょーたもいっぱいテレビ出て
いっぱい歌って踊って
楽しそうにギター弾いて。

テレビで見る安田章大は
しょーたの面影を残しつつ
33歳の大人の男だった。

あえてファンクラブには入らなかった。
私が求めてるのは安田章大じゃなくて
しょーただったから。


そのうちに

しょーたの描いた似顔絵でしか
しょーたの顔が思い出せなくて。

お守り渡したことも忘れてて。

そのうち、ノートを見ても
何のことだか思い出せなくて。


携帯も新しいのに変わって
引越しもした。



私の35歳の誕生日が過ぎて春になって
いつものようにお昼休みに公園のベンチでパン食べてて。
エミは寿退社して、いつも私1人。

お腹いっぱいで眠くなる…。

26(完結)→←24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す