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第77話 ページ37

額に乗るひんやりとした感覚に目を覚ますと、見慣れた天井が飛び込んでくる。



「あ、れ、家…?」



慣れた天井、慣れた暖房、慣れたベッドに包まれながらそう呟くと、赤い瞳が覗き込んできた。







「頭痛くねえか?」

「あ、おでこ…」







少しだけ心配そうな顔をする左馬刻にそう言うと、声が丸みを持つ。



「熱あったからな、冷えピタ買ってきた」

「買ってきた…」



その心遣いが嬉しいのに、左馬刻が冷えピタ買うためにドラッグストアに行ったのかと思うと、変な笑みが零れる。







「ん、ふふっ…、ありがと…」



「あ"?何笑ってんだ泪」







左馬刻が凄みを効かせてそう言う。








「だって、んふっ、左馬刻が…、冷えピタって…、ふふっ」



「ツボに入ってんじゃねえか」







そう言いながら左馬刻が私の鼻を摘んだ。



「んぐ…」

「ったく、まだ熱あんじゃねえか。休んどけ」

「…うん」



私が返事をしたのを確認すると、左馬刻はベッドの横のイスに腰を下ろす。







「え、左馬刻出ていかないの?」

「風邪引いたテメェ置いて一人で仕事しろってか?胸糞悪ぃわ」







言葉は少し乱雑なのに、その気遣いが嬉しくて心臓がきゅうんと鳴る。



「うつってもいいの?」

「ハッ、テメェが治るなら安いくらいだわ」







意地悪く微笑んだ左馬刻の唇が、私の唇を奪っていく。






いつもより冷たく感じる左馬刻の唇。



離れたくない。



気持ちいい。












「ン…っ、物欲しそうな顔してんじゃねえよ」



「…してないし」











的を射た答えに身体中が熱を持つ。



恥ずかしさから逃げるように布団を被ると、左馬刻の押し殺したような笑い声が鼓膜をくすぐる。












「そのまま休んどけ。目ぇ覚めたら、メシ作ってやる」












布団の上からポンポンと優しく叩かれる。



ああ、甘やかされてるな。



幸せだな。






「う、ん…」






ぼんやりと返事をして、『風邪を引くのもいいな』なんて思いながら、左馬刻にバレないように一つ微笑んだ。

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トーマ - ついに完結してしまった…これからも幸せでいてほしいですね〜もう一回全部読んできます、神作品をありがとうございました!!煉くんかわ…かっこいい、女の子の扱い方うまそう… 次の作品もたのしみにしてます! (2019年1月26日 9時) (レス) id: 886f42f433 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 完結と同時にコメントしたかった・・・こんな幸せな作品をありがとうございました。他にもいろいろ言いたいことはあるけど、とても言い尽せそうにありません。なので、もう一度言わせてください。ありがとうございました。 (2019年1月25日 0時) (レス) id: 7a3bf8ffac (このIDを非表示/違反報告)
うすしおタルト(プロフ) - 花蓮さん» ありがとうございます!!よかったです〜!たくさん読み返して頂けて幸せです!! (2019年1月22日 20時) (レス) id: 9f30b37ea7 (このIDを非表示/違反報告)
うすしおタルト(プロフ) - 麗華さん» ありがとうございます!!想像の斜め上行けましたかっ!?楽しんで頂けたのなら幸いです!! (2019年1月22日 20時) (レス) id: 9f30b37ea7 (このIDを非表示/違反報告)
うすしおタルト(プロフ) - 魔王さん» ありがとうございます!!素敵だなんてそんな…っ!たくさん読み返して頂けたら幸いです!! (2019年1月22日 20時) (レス) id: 9f30b37ea7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うすしおタルト | 作成日時:2018年11月28日 19時

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