第62話 ページ22
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「そういえば…」
ふと思い出したように乱数が口を開いた。
「泪、白無垢なのに懐刀持ってないんだね」
「さすがデザイナー、色々知ってるね」
乱数の一言に思わず感嘆の声を上げると、満足げな笑顔が返ってくる。
「まーねっ！そんなことより、ねえねえ！何で持ってないの？『左馬刻が守ってくれる』的なやつ？」
少し茶化したように聞いてくる乱数の頭を撫でながらゆっくり口を開く。
「んー、たしかにそれもあるけど」
「『けど』？」
「そう言い切っちゃうと、左馬刻に頼ってる感じがするでしょ？」
「え？別にいいんじゃないの？」
「良くは…、ないかな？」
「いや、いいでしょ？あの『碧棺左馬刻』だよ？」
私の不安定な答えにも呆れることなく相槌を打ってくれる乱数の丸い瞳を捉えながら、私はゆっくりと口を開いた。
「左馬刻に頼らなくても自分の身一つくらいは守れるし、刀なんてなくても私は強いし」
私のその一言に、乱数が瞳をぱちくりさせる。
「あー、うん。今すっごい納得した」
「そう？まあ、それが懐刀持ってない理由なんだけど、あともう一つ」
どこか諦めたような顔でそう言う乱数に、私はいたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「もし懐刀なんて持ってる時にピンチにでもなったら、左馬刻なら『それで俺を殺せ』とか言いそうじゃない？」
「あー…、否定はしない」
「ふふっ、でしょ？」
『でもね、それは嫌なんだ』と言いながら私は歪な笑みを浮かべた。
「だって、左馬刻を殺すのは私だけで十分じゃない？」
左馬刻の熱に触るのも、唇を合わせるのも、体を重ねるのも、その命を奪うのも。
私一人で十分。
「…こっわ」
乱数がそんなことを呟いていたのは、別の話。
「泪ってイケメンだよな…」
「あ"？一郎テメェ、人の嫁なんつー目で見てんだよ」
「は！？今のは日常会話だろ！？」
「あ"あ！？テメェ日常会話で泪の名前出してンのか！？」
「だー！そういうことじゃねえ！」
「左馬刻くん、一郎くん。少し落ち着いて」
私と乱数の知らないところで、こんな会話が繰り広げられていたとか、いないとか。
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トーマ - ついに完結してしまった…これからも幸せでいてほしいですね〜もう一回全部読んできます、神作品をありがとうございました！！煉くんかわ…かっこいい、女の子の扱い方うまそう… 次の作品もたのしみにしてます！ (2019年1月26日 9時) (
レス) id: 886f42f433 (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 完結と同時にコメントしたかった・・・こんな幸せな作品をありがとうございました。他にもいろいろ言いたいことはあるけど、とても言い尽せそうにありません。なので、もう一度言わせてください。ありがとうございました。 (2019年1月25日 0時) (レス) id: 7a3bf8ffac (このIDを非表示/違反報告)
うすしおタルト(プロフ) - 花蓮さん» ありがとうございます！！よかったです〜！たくさん読み返して頂けて幸せです！！ (2019年1月22日 20時) (レス) id: 9f30b37ea7 (このIDを非表示/違反報告)
うすしおタルト(プロフ) - 麗華さん» ありがとうございます！！想像の斜め上行けましたかっ！？楽しんで頂けたのなら幸いです！！ (2019年1月22日 20時) (レス) id: 9f30b37ea7 (このIDを非表示/違反報告)
うすしおタルト(プロフ) - 魔王さん» ありがとうございます！！素敵だなんてそんな…っ！たくさん読み返して頂けたら幸いです！！ (2019年1月22日 20時) (レス) id: 9f30b37ea7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うすしおタルト | 作成日時：2018年11月28日 19時
