*吐き気が。 ページ3
「胡蝶、起きたぞォ」
「こんにちは。怪我の具合はどうでしょう?薬を塗っておいたんですけれど」
「え、と。あ、大丈夫(?)ですよ!多分」
どうやらこの屋敷は、「蝶屋敷」という所らしい。
家主のしのぶさんはとっても綺麗だし、優しい。
カナヲちゃんという私より少し下の子も、可愛いしいつも笑顔。
アオイちゃんは私が無茶をすると怒るけど、優しい子なんだよね可愛いし。
なほ、すみ、きよはいつも何かくれる。可愛いし、仲が良い。
「ねえしのぶさん、今日街に出てもいいかな?
怪我も大分治って来たし、外の様子を見てみたいの」
蝶屋敷に運ばれて三週間目
私はあれから庭には出れるようになったが、過激な運動もしていなかった。
私は田舎に住んでいたから一度街を見ておきたかった。
しのぶさんは「そうですね…」と考え込み、決断を下した。
「完治はしていないですし、まだ危険もあります。一人では行ったら駄目ですよ?」
つまり答えはOKとのことだった。
私も元から一人で行く気はなかったし、場所も分からないので付き添いを誰かに頼もうかと考えていたところだった。
○○○○○○○○○○○○○○○○○
「うわー人がいっぱいだねー……実弥」
「ったくよォ、俺も暇じゃねェんだぞA」
付添人は実弥だ。一番信頼している人だから、無理を言って来てもらった。
実弥の仕事はなんなのか、知らなかったけれど。
傷を負う仕事だってことは分かっていた。
「甘味処だって!ねぇ、実、弥……あれ?」
キョロキョロと周りを見て興奮をしていると、いつの間にか実弥は後ろに居なかった。
どこにいったの?はぐれちゃったの?
「ん?姉ちゃん一人かな?お勧めの店があるんだよねー、一緒に行こうよ」
「おー、随分可愛い子じゃん。俺についてきなよー」
「お前達じゃ無理だろー。こっちにおいでよ」
知らない男の人が、近寄って来る。私は囲まれるようにして立っていた。
―――待って…痛い、蹴らないで、叩かないで。ねえ、やめて―――
「うっ」
昔の光景とリンクして、私は思わず口をふさいだ。
気持ち悪い、怖い…じんじんと傷が痛む様な気がした。目元からは涙が溢れる。
「近寄んなァ塵」
私の前に立ちはだかるようにして片手を出していたのは―――実弥だった。
男たちは「ひっ」と声を上げて去って行った。私は崩れるように座り込む。
吐き気が、止まない。
「A、おい」
――逃げられない――
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ウォーターツリー(プロフ) - ストロベリームーンさん» 一応消したけど…一応ありがとう(?)笑 ※返信無しで大丈夫です (2020年8月13日 21時) (レス) id: 602bf9e950 (このIDを非表示/違反報告)
ストロベリームーン(プロフ) - ウォーターツリーさん» 一人で寂しく祝ってて悲しいね(*´・ω・)私が盛大に祝ってあげよう!.......かぁぁぁぁぁぁんけぇぇぇぇぇぇぇつぅぅぅぅぅ!おぉぉぉぉぉめぇぇぇぇぇでぇぇぇぇとぉぉぉぉぉぉぉうぅぅぅぅぅ!(遅れてめんご、だって通知来なかったんだもん。...ぴえん) (2020年8月11日 1時) (レス) id: 52d18f6c25 (このIDを非表示/違反報告)
ウォーターツリー(プロフ) - 自分完結おめでとう(何やってんだか) (2020年8月7日 15時) (レス) id: 602bf9e950 (このIDを非表示/違反報告)
ウォーターツリー(プロフ) - yssy4181yuukaさん» ありがとうございます!こんなありきたりなお話で感動して下さるなんて…(;_;)本当にありがとうございます!! (2020年8月6日 9時) (レス) id: 602bf9e950 (このIDを非表示/違反報告)
yssy4181yuuka(プロフ) - やばい泣いた (2020年8月6日 8時) (レス) id: 2a5f87979c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ウォーターツリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/JannethBas1/
作成日時:2020年3月25日 19時