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．
『…てことがあって』
｢…そうか｣
事を話終えれば、先輩はやっぱり｢そうか｣だけ言って
黙ってしまった。
車内にはラジオの司会が楽しく話す声が聞こえて
それが尚この空気を重たくさせる。
あぁ、さすがに引かれたよね…。
こんなはしたない女を助手席に座らせたくないよね。
｢だがそれは、一方的にされたのだろう？｣
だけど発された言葉は予想外のもので、
引かれてない…？と安堵しつつ杏寿郎先輩を見た。
ちょうど赤信号で停車した車の中で、
杏寿郎先輩と目が合う。
『……っ』
あまりにも真っ直ぐ過ぎたその瞳に吸い込まれそうになるのを必死に抑えて目を逸らした。
｢もしや、合意の上で触らせたのか｣
『え！？いや、それは無いです…っ！』
杏寿郎先輩に呑み込まれそうで言葉に詰まっていれば
眉間に皺を寄せてそう言うものだから、慌てて否定した。
…キスは、拒めなかったけれど。
それは言えなかった。
言えば、もう杏寿郎先輩とは縁が切れる気がして。
否定したのと同時に信号は青になり、
再び静かにアクセルを踏む杏寿郎先輩が何を考えているのか、私には分からなかった。
．
．
『ありがとうございました。
送ってもらっちゃって…』
｢いや！これくらいどうってことない！｣
結局それからは高校時代の話で盛り上がり
気づけば2時間もの間杏寿郎先輩はドライブに付き合ってくれた。
別れ際、車から降りようとすれば腕を掴まれて
困惑する私を ふ、と笑い
｢次はご飯にでも行こう！｣
そう言って腕は解放された。
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奏海(プロフ) - 唯梨さん» ちょっとあなたに言われると照れるよね。本当に照れました好き。 (2021年4月23日 21時) (
レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)
奏海(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうっ！いっちゃった〜！ (2021年4月23日 21時) (レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)
奏海(プロフ) - 環さん» ありがとううううっ！その言葉に甘えて続編出しちゃった☆ (2021年4月23日 21時) (レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - １章の締め方がまじで上手い件 (2021年4月23日 16時) (レス) id: 10a0ab61a8 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ２章、３章、いっちゃって〜！！！ (2021年4月22日 18時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏海
| 作成日時：2021年4月1日 16時
