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第二十三話 旅の始まり ページ42

ヨウムさん達が” テンペスト ”に来てから早二週間が経とうとしていた。私はリムルさんに話があると言い、自室に来てもらうことになっている。少しばかりの緊張が私の精神を揺さぶる。私には目的があるから、この街には長居できないのだ。

トントンと扉を叩く音がしてリムルさんが「A、入るぞ」と言い扉を開ける。
私が言いたいことを理解しているのか、彼の顔には緊張があり固かった。

「リムルさん、どうぞ。此処にいらっしゃってください。」

私はテーブルと4つの椅子が並んでいる方に手を指しながら言う。リムルさんが目の前に座り、私達は向かい合わせになった。強張る口を開きながら話し始める。

「リムルさん、私の目的は…「お前の妹を探すことだろう。」…そう。私は前の人生で妹を亡くした。そして、私に神様はもう一度だけチャンスをくれたの。妹と出逢うチャンスを。だから、彼女を探して私は彼女に思いとそして幸福を与えたい。妹が苦しまないようにするためにね…。リムルさんにはお世話になりっぱなしだったけど、今私自身が旅立つときなの。その為にソウエイにも色々教えていただいたわけだし。もちろん、この街は大好きだよ。でも、ずっとお世話になる訳にはいかない。」

真剣な眼差しで彼に話すこの瞬間、彼の表情とかを気にしてしまうのは…恐らく前の人生での癖だろう。重苦しい雰囲気の中リムルさんは口を開く。

「わかったよ。でも俺と約束をしてくれ、辛くなったり困難な状況になった時此の街にまた訪れることを。ここはお前の家だから、里帰りも大切だろ?それを守ってくれ。」

あと、連絡も忘れずにな!と光のように笑う彼は本当に愛おしかった。過保護なのかと思うほど、世話焼きであり優しい人。彼との約束を忘れる訳にはいかない。私は立ち上がり彼の目の前まで行くと跪き左手の甲に唇を落とす。

「ええ、リムルさん。命に代えてでも、貴女の約束を守りましょう。貴女が困難になった時私も力を与えます。それが需要と供給だから。貴男のような素晴らしい方と出会えて私はなんて幸せ者なのかしら。リムルさんありがとう、本当に感謝しているわ。」

彼は涙を流して私を抱きしめるのだ。また逢おうと言っているかのよう様に。
私も彼を目一杯抱きしめ、彼との再開をこの心に誓う。


ーー
山北です。この一週間仕事に専念していたので更新が遅れてしまいました。申し訳ありません。これからのストーリはオリジナルが入ります。リムル達は原作通り進みます。

第二十三話 旅の始まり 2→←第二十二話 隠し切れない気持ち(番外編)



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朱里(プロフ) - 続けてすみません。第十三話のエレンの名前が〇〇〇になってます。意図的だったらすみません (2021年12月11日 19時) (レス) @page27 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 楽しく読ませていただきました!第四話から出でくる〇〇〇ジンとはどのキャラですか? (2021年12月11日 19時) (レス) @page7 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - ユトさん» ユト様→ご指摘ありがとうございます。訂正致しましたのでご覧になってまた違和感がありましたらご指摘お願い致します! (2019年4月14日 19時) (レス) id: 79f5829be5 (このIDを非表示/違反報告)
ユト(プロフ) - とても面白いです!あと、ミリムの名前は、ミリム・ナーヴァですので訂正お願いします。 (2019年4月13日 6時) (レス) id: 7c4b452e79 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - 暇人114514号さん» 暇人114514号様→いつも読んで頂き有難う御座います。名前が同じとは光栄です笑 また、更新していくのでもしよろしければ又宜しく願い致します笑 (2019年4月4日 17時) (レス) id: 760c82b915 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山北 | 作成日時:2019年3月20日 0時

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