【転スラ】異世界に転生された色気全開女はワタシです。

第九話　大同盟結成の時 ページ18

オークロード討伐の件が終わり、リムル・大鬼族・蜥蜴人族・豚頭族と私で豚頭族の
未来(これから)についての話しあいが始まる。
話し合いに樹妖精(ドライアド)が参加することになった。

「ああ、A様。何ともお美しゅう姿で、私たちは貴女様のお陰で生きれたのも同然。
だからこそこの場をお借りして感謝を申し上げますわ。」

綺麗な顔で丁寧に声をかけられる。
しかし私は何もしていない。この力を手に入れてしまった限りは
こういう状況に慣れていかないといけないのだろうか。ぎゅっと拳を握った。

「私は何もしていません。ただ、苦しんでいる方々が幸せになればいいと…
そう思っているだけ。実際、結局のところオークロードのゲルドさんも幸せだったか
それすらもわからない。私は彼を…。」

自分の未熟さに嫌になり、少し弱音を吐くと樹妖精は困惑した表情になった。
そして、悲しそうに笑みを作る。

「本当に心が澄んでいて優しいお方なのですね。人々の為に心を痛めて、そして強くなられた。」

“ 大丈夫です、オークロード・ゲルドも貴女を最期にお会いできて幸せですよ。 ”と手を添えた。
樹妖精の言葉に涙ぐむ。私は、もう誰も失いたくない。誰かを失うことが怖いのだ。
しかし、今は守るべきものも愛する者も守れる力がある。

「やはり私はまだまだですね。
幸せという定義は人それぞれですが、私なりに頑張ってみようと思います。」

目一杯の笑顔で皆に語り掛ける。その状況に何人かの者は涙ぐんでいた。


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