勇敢と蛮勇 珠城 ページ39
side三人称
「危険です」
真っ先に反対したのは妖夢だった。
「私達は兎も角、珠城さんは外来人で、何の力も持たない普通の人間です!私達にも守れる限度があります!」
「…その通りだ。蛮勇ならやめて欲しい。私は、これ以上目の前で人が死んでいく姿を見たくない」
嫌われても構わないと、真剣な瞳が告げていた。
この世界がどれだけ危険なのかは知らない。
というか、興味もないのだと。
無知を罪と知る少年は暗がりで考える。
では、何故態々危険を承知で出向かうというのか。
「知りませんよそんなこと。俺には分かんないですよそんなこと。でも危険なんでしょ?なら黙って見ていられる訳ないじゃないですか」
へらりと、笑う。
その表情は今にも泣きそうで、その場に居る誰もが押し黙る。
造ったものと言うには精巧すぎて、自然のものというには不自然すぎた。
本人が造ったものと考えていても、奥底が違うと否定した。
「知ってる人が傷つけられるってわかってるのに、自分を押し殺して送り出せる訳ないじゃないですか」
危険因子は排除、という打算が見える。
任せられないという不信感が募る。
心配が、僅かに混ざる。
一人は嫌だ、と絶叫する。
自分で自分の思考を把握できないまま言葉を紡ぐ。
「それに、八雲紫、妖怪の賢者でしたっけ?そんな人が普通の人間が簡単に死ぬ世界に手間までかけて送り込まないでしょ。俺だって戦える」
「戦えるんだよ。足手纏いにはなんないから、守んなくていいから、一緒に連れてってよ」
「・・・。」
これじゃあ、ただの我儘な子供だと、珠城は自嘲する。
何でこんなことを口走っているのか分からない。
でも、これで許可してくれるなら安いものか、と軽く息を吐く。
そんな珠城を見て、畔が漸く重たい口を開く。
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彼岸花_毒 - 更新しました。 (2019年7月16日 1時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花_毒 - 臼井咲さんありがとうございます! 更新します (2019年7月15日 23時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 更新しました! (2019年7月15日 18時) (レス) id: 1a8f9f7b82 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 更新します。 (2019年7月15日 17時) (レス) id: 1a8f9f7b82 (このIDを非表示/違反報告)
臼井咲(プロフ) - 一応お話しは作りました!後は彼岸花さんができるまで待機です! (2019年7月15日 15時) (レス) id: 505560354e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2019年6月16日 17時