【募集企画】東方幻想記録物語 ２巻

暇すぎる　ナハト ページ36

暇だ。
暇すぎる。
やることはないし、能力の制御だって、ツマラナイ。
なにか面白いことないかな...
あ、タロットカード...

一枚取りだし、指に挟む。
そのまま投げればビュッと音を立てて向かいの壁に刺さる.....訳がなく。
ただ、ヘロヘロと空中でしばらく飛んだあとすぐ、パサリと床に落ちた。

「知ってた」

思わずそう呟く。
期待していなかったと嘘になるが、自分で自分を騙すくらいどうってことないのだ。
ひとつため息をつくと、椅子から立ち上がり
黒色のスカートを翻しタロットカードが落ちた場所へ向かう。

「はぁ...」

今日何度目かのため息をつく。

ため息をついた数なんて覚えているわけがないのだ。

「どうしようかな...」

近くにあったふわふわの上質な革を使った相変わらず黒色のソファーに飛び込む。
ギシリと音が響く。




暇だ。


本当に暇だ。

何をしても退屈しのぎにならない。

ツマラナイ。


「はぁ...」

またため息をつく。

あれからずっとこの調子だ。

能力の制御......頑張ってもうまくいかないし...



あぁ、こんなワタシを見たらきっとheer(主様)は怒るよね...


よし、heer(主様)は怒ると本当に怖いから、能力の練習をしよう。
うん。



そうと決まれば善は急げだ！

早速やろう！

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