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◆◇◆◇◆◇


「ここまでで大丈夫です」

そう言うと、車が緩やかに停まった。

私は車窓から、すっかり暗くなった外を見る。

静まった夜道を、ぽつりぽつりと等間隔に並んだ街灯が照らしている。

ここを1人で歩くのは正直勇気が要った。
先生に送ってもらえてよかった。

涙がすっかり乾いているのを確認して、私は先生に向き直った。

向き直って、「先生」と呼び掛けようとして、ハッと息が詰まった。


先生は、私の視線に気づいていなかった。

ハンドルに腕を乗せてもたれ、ぼんやりと遠くを見つめている。
街灯が先生の横顔を照らし、陰影を刻んでいた。

綺麗な横顔だった。
そのどこか憂いを帯びた瞳に胸を突かれた。

何があっても私は、この人が好きなんだ。

そう思い知らされた。

「先生」

呼び掛けて、ようやく先生はこちらに気づいた。

私に視線を合わせ、小首を傾げる。

「どうした?」

「送ってくれて、ありがとうございました」

ぺこりと頭を下げると、先生は「どういたしまして」と少し笑った。

「…あともう1つ、ありがとうございました」

頭を下げたまま、私は続けた。

「私を救ってくれて、ありがとうございました。
…お兄ちゃんのこと、だけじゃなくて」

そこで言葉を切って、顔を上げる。

先生は優しい目をしていた。
優しい目で、先を促してくれた。

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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています!応援してます!! (2022年8月16日 0時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
7star(プロフ) - 初めまして!読み進めるほどドキドキして胸がギュッと締め付けられます。作者様のペースで更新されるのを楽しみに待ってます! (2020年7月15日 21時) (レス) id: f3e580ba40 (このIDを非表示/違反報告)
まろん(プロフ) - 読んでて切なくてきゅんきゅんしてます!何度も何度も読み返してます!更新楽しみにしています!頑張って下さい、応援しています! (2019年6月2日 14時) (レス) id: 2af5865e58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな×りお | 作成日時:2019年5月11日 0時

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