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5-13 ページ29

先生は教室の時計を見ると、さくらに向かって問い掛ける。

「今どうなってる?」

「えっと…」

さくらは、放心状態の私と自分に問い掛ける先生との間で視線を彷徨わせ、戸惑うように口ごもった。

そこへ、

「おいやめろ!!」

怒鳴り声が飛び込んできた。
その声で私も我に返る。

「それを押せば引き返せなくなるぞ!」

「うるせえ!!」

美術室からだ。
何人かの男子が争う声が、廊下を伝って教室にまで聞こえてくる。

「…多分、学校から出たい人と残りたい人で争っているんだと思います」

さくらは、さっきから聞こえてくる声で推測できる状況を伝えた。

「…そうか」

立ち上がろうとする先生に肩を貸そうとしたけれど、「蒼井足怪我してるだろ」と制止されてしまった。

結局さくらが先生を支えて、みんなのいる美術室まで向かう。

腰の痛みを我慢してなんとか体を前に進める先生。

その姿を見て、目を覚ましたと言っても、先生を蝕む病が治った訳じゃないと気付いた。

先生が命を削ってまで、事件を起こす意味はあるんだろうか。

先生から事件を起こす目的は聞いた。
それが大事だということも分かってるつもりだ。
でもその為に、先生が命を削らなければならないんだろうか。

…ただ、私が先生の苦しむ姿を見たくないだけかもしれないけど。

廊下へ出て、美術室の扉に先生の手が掛かり、

ガラガラ、と大きな音が響いた。

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さな×りお(プロフ) - 緑えいたぁーさん» えぇ…ありがとうございます! めっちゃ嬉しいです更新頑張ります! (2019年5月3日 20時) (レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
緑えいたぁー(プロフ) - さなさんとりおさんの書くお話が大好きです!いつも楽しみにしています!もしかしたら歳近いんじゃないかな〜って思ったりしたりしなかったり…御二人のファンとしてずっーと応援してます! (2019年5月2日 22時) (レス) id: 847f0c09f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな×りお | 作成日時:2019年4月24日 22時

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