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「過去の自分が、今の自分を作る!
だから、過去から逃げてるお前も、お前も、お前も!!
極めて幼稚なガキのまま、成長が止まってるって訳だ。
そんな奴らが、一体何から卒業するっていうんだよ!!」

過去のどうしようもない、からっぽだった私を、先生は変えてくれた。

先生のデッサンを見て、心が動いた。

嬉しいとか、恥ずかしいとか、むかつくとか、感情を抱くことが増えていった。

さくらに関心を持つようになった。

先生といる時間を、楽しいと思えるようになった。

「いいか、聞け!!

何故!景山澪奈は死ななければならなかったのか!

これからの10日間を通して、お前らの考えがいかに弱く、脆いものなのか!!

…思い知らせてやる」

先生の頬には、一筋の涙が流れていた。

今先生は、救おうとしている。
美術室で過ごす日々の中で私を救ってくれたように。
この教室にいるみんなを、救おうとしている。

恐怖心から震えていた身体が、少しずつ収まっていく。

「…ざけんじゃねえ」

中尾君が先生に掴みかかった。

「ふざけんじゃねえぞ!おい!」
「そして!!」

先生は中尾君を掴み返した。
鬼気迫った表情で、中尾君を見上げる。

「悪意に塗れたナイフで、穢れなき弱者を傷つけないように!!


変わるんだよ!!


…変わってくれ」

そこに居たのは、生徒を人質にとって立てこもる犯罪者ではなかった。

頭を下げて、生徒達に必死に訴えかける、教師の姿があった。

震えが止まった。

今私がやるべきことは、怯えることじゃない。震えることじゃない。
1人の生徒として、先生の言葉に耳を傾けることだった。

目の前にいる先生は、私が知っている柊先生だった。

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設定タグ:3年A組 , 柊一颯 , 菅田将暉   
作品ジャンル:恋愛
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さな×りお(プロフ) - かなとさん» 指摘していただきありがとうございます。訂正いたしました。 (2019年4月1日 18時) (レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年4月1日 16時) (レス) id: 977ff24faa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな×りお | 作成日時:2019年4月1日 15時

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