後輩の妹 (水溜りボンド・トミー)

8.ライオンのブランケット ページ8

「トミーさんが被ったら、すごい強そうに見えるのに、Aちゃんが被ると弱そうに見えますよね。」





その様子を見ていたPさんとキイチ。


キイチの言葉に、俺はハッとなった。





そういや、Pさんもキイチがもここにいたんだったな...。





二人の世界に入り込んでしまった...。





『私じゃ、強そうに見えないんですね。じゃ、じゃあ、トミーさんが被ってるとこ見てみたいな...』


Aちゃんが、


急にそんなことを言うから、


「5月の日常動画に載ってるから、それ見れば...」


少し素っ気ない言い方で返してしまった。





言ってすぐ後悔してたら、


「トミー、今被って見せてあげなよ。」


と言うPさん。





それを聞いて、Aちゃんは、


ライオンのブランケットを取って、


俺に渡してきた。





『見たいです...』


上目遣いで、


顔を赤らめながら、言うAちゃん。





可愛くて、顔がニヤけてしまいそうになり、


俺はそっぽを向いた。





すぐに向き直し、


「しゃーねぇーなぁ。」


と言って、Aちゃんから


ライオンのブランケットを取り、被って見せた。





ライオンのブランケットを被った俺の姿を見て、


何も言わないAちゃん。





俺は恥ずかしくなって、


「...なんか言えよ。」


と、ツッコミを入れた。





『...本当に、凄い強そう。』





なぜか目をキラキラさせて、


そう言うAちゃんに耐えられなくなり、


「見たからもういいだろ。」


と言って、ライオンのブランケットを取った。





『あ、ありがとうございます。』





「キイチー、コンビニに飯買いに行くぞ。」





俺は心を落ち着かせるために、


キイチを誘ってコンビニに行った。

9.罰ゲーム→←7.ライオンのブランケット

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す