兄の先輩２ (水溜りボンド・トミー)

87.誕生日 ページ37

11月に入りました。


このお家で暮らすようになって、


5ヶ月。


凄い、濃い5ヶ月間だった気がする...。





そして、もうすぐ、私の誕生日。





「A、少し早いけど、誕生日おめでとう。」


大学で、結莉から、プレゼントを貰った。



『わぁ!!ありがとう♪』


「Aの誕生日、学校休みだから、早めに渡しとこうと思って。」


『嬉しい♪ね、今開けてもいい？』


結莉の了承を得て、


プレゼントの包装をほどいていく。





中身を見ると、


水色のニットワンピが出てきた。





『うわぁ!!すっごい可愛い!!』


私はそのワンピに見惚れた。


「絶対、Aに似合うなと思って。」


『似合うかな？早く着たい！今着ちゃおうかな。』


私はすごく気に入って、


早く試着したくなった。


「今はダメ！これ最初に着るときは、デートのときかな。」


なんてニヤニヤして言う結莉。


『で、デートって...私にそんな予定ないよ。』


「誕生日の日予定ないの？」


『...ない。』


「トミーさん誘いなよ。」


『いやいやいやいや！そんなん断られるに決まってる...』


「せっかく買ったニットワンピ、Aが着てるとこトミーさんに見てもらいたいなぁ...」


なんて呟くように言う結莉。


『...うー。そんな事言われても...。』


「Aは、誕生日の日、好きな人と一緒に過ごしたくないの？」





誕生日の日、


長い時間、トミーさんと


一緒にいられればな...


って思う。





『一緒に過ごしたい...。』


「じゃあ、誘わないと！」





そうだよね...


私、トミーさんに誕生日教えてないし、


私が誘わなきゃ、だよね...。





『...が、頑張ってみる...。』

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