兄の先輩２ (水溜りボンド・トミー)

94.誕生日 ページ44

結局そのまま、


手を繋いだまま、


水族館を見て回った。





トミーさんに触れられていると、


緊張して...





だけど、


安心して...





なんか、


癒されて...





好きが増していく。






そして、閉館時間が近づいてきて、


「そろそろ、帰ろっか。」


そのままトミーさんと、


駐車場へ向かった。





駐車場について、


繋いだ手は離され、





私は、


もう少し繋いでいたかったなぁ


なんて、欲張りになっていた。





助手席のドアを開けてくれるトミーさん。


その優しさをすんなり受け入れ、


助手席に座った。





「楽しかったな。」


運転席に座ったトミーさんが言った。


『すっごく楽しかったです。』





少しだけ勇気を出して、





『...トミーさんと一緒だったから。』


言って見た。





「そら、良かったわ。」


と、少し視線を逸らすトミーさん。





また、トミーさんとデート...


いや、お出かけしたいなぁ。





さすがにこれは言う勇気がなかった。





「A。」


トミーさんに名前を呼ばれた。


『はい？』


トミーさんは、ガサゴソと、


鞄の中から何かを取り出した。


出てきたのは、手のひらサイズの


四角い箱だった。


可愛くラッピングしてあった。

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