兄の先輩２ (水溜りボンド・トミー)

93.誕生日 ページ43

お昼ご飯を食べ終わり、


館内を見回る。





「それにしても。人多いなぁ。」


と、トミーさんが言った。


「休日だからですかね。」


水族館内は大勢の人で賑わっていた。





『あ、15時からイルカショーあるんだ。』


私がぼそっと呟いたら、


「見たい？」


と、トミーさんに聞かれた。


『見たいです！』


と、私が返事をすると、


「じゃ、行くぞ。」


と、言ってくれた。





イルカショーも人がいっぱいいたけど、


席が空いていて、


なんとか座れた。





『うわぁ、イルカ可愛い...』


『あんなに高くジャンプ出来るなんて凄い！』


『イルカと一緒に泳ぐの憧れるなぁ。』





私はイルカショーに夢中になっていた。





『イルカショー楽しかったですね！』


私がそう言うと、


「Aが、すげぇ楽しそうで良かった。」


と言われた。


『トミーさんは、楽しくなかったですか？』


私が聞くと、


「すげぇ楽しかったよ。...Aと一緒だから。」





...//






“Aと一緒だから”





私と一緒だから、楽しかった......？//





ほら、そんなこと言うから、


またドキドキしてきちゃった....//





イルカショーが終わり、


また館内を見回っていたら、


「...危ない!!」


と、トミーさんに手を握られ、


引き寄せられた。





休日だから、子連れのお客さんも多く、


小さい子どもが走り回っていて、


私にぶつかりそうになったのを、


トミーさんが避けてくれた。





それだけなのに...





『あ、ありがとうございます...』




ドキッとしてしまう...





「ぶつかんなくて、よかった。」


手は握られたまま...。





「...行くぞ。」


って、そのまま歩き出すトミーさん。





...手、離さないの...？





人多いから、はぐれないように、


とか？





ねぇ...もう、勘違いしちゃうよ...

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