プライバシーなんて存在しない ページ11
学校のない休日というのは自分の時間が持ててリラックス出来る…………なんてのはただの夢物語。
「起きろ」
「なんでよぉ、寝かせてよぉ……今日休みじゃん……ってまたどこから入って来た!?」
寝ていたAの隣に何食わぬ顔で座っていた三成。
あまりにも自然過ぎて反応が遅れた。
ドアには前回の反省もあってチェーンを付けていたはず。
まさかそれを引きちぎって入って来た、のなら音がするはずだが。
「ドアにはチェーンがあった。ならば裏口を使うしかあるまい」
「いやそんなドヤ顔で言われても。私じゃなかったら通報されてるよ?」
「近所の奴らは私たちがそういう間柄なのだと認知している。最近はむしろこれが微笑ましいとも言われたな」
嬉しそうに頷く三成。
もはや引っ越す以外この不法侵入は止められないのではないかという考えがAの頭を過った。
そんなお金があるわけないけど。
「……百歩譲って不法侵入は見逃そう。でも来るなら来るって連絡してもよかったんじゃないかなー三成クン?こっちにもプライバシーってものが」
「女はさぷらいずに弱いと刑部が言っていた」
「大谷先輩は寝起きドッキリのことを言ったわけじゃないと思うよ」
仲のいい二年生の大谷吉継の助言を正しく解釈され、三成は納得がいかなさそうにムッと口を尖らせる。
「それよりさ、休みなんだからもう少し寝かせてよ」
「生徒会役員たるものが甘ったれるな」
「私役員じゃない」
「ならば眠れ。私が見張っていてやろう」
「え、私はどこかの組織に命でも狙われてるの?ってか絶対撮るでしょ?」
図星で当てられ、三成はチッと舌打ちをした。
既に何枚か盗撮しているというのは内緒である。
「分かった起きるから。ちょっと部屋出て行って」
「何故だ?」
「私の着替え見るつもりですかー?」
Aが欠伸をしながら問いかけると、三成は突然ぼっと顔を赤らめた。
「せっ……刹那に出て行くから待てッ!」
顔を赤面させたまま持ち前の速さで寝室から出て行く。
タンスから着替えを取り出したAは、ドアの方を見て思わず笑い声を吹き出した。
「ピュア過ぎでしょ。可愛い」
その才能を別のところに活かせばいいのに→←たまに優しいところもあるんだけどね
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三楓(プロフ) - 紫月姫さん» コメントありがとうございます!色々重なってバタバタしていましたが最近はだいぶ落ち着いてきました。以前の更新形態に戻れるよう少しづつではありますが精進します(*´∀`*) (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» ありがとうございますm(__)m無理しない程度に頑張ります! (2020年7月6日 14時) (レス) id: fa2fc96bb4 (このIDを非表示/違反報告)
紫月姫(プロフ) - お知らせ&このコメ見ました。お悔やみ申し上げます。無理せず落ち着いてからで構いませんよ?(*^^*)その間に色んな三成さまを拝みに行ってきます!変なコメントで失礼致しました! (2020年7月3日 21時) (レス) id: 9da1b7754e (このIDを非表示/違反報告)
シナシグ(プロフ) - 三楓さん» そうだったのですね...お悔やみ申し上げます。気落ちすると色々マイナスに考えがちになってしまうので無理せず自分の好きな事をしたりしてリフレッシュしながら頑張って下さい!一読者ですが応援してます!(っ`・ω・´)っフレーフレー!!! (2020年7月1日 22時) (レス) id: 63a06f166a (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - シナシグさん» コメントありがとうございます!実は最近身内の不幸がありまして慌ただしくしておりました。ようやく少し落ち着き、これから心の整理のためにも物語を書きたいと思います(*´∀`*) (2020年7月1日 3時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2020年5月21日 0時