茶人 ページ7
部屋を去ったAは特に目的もないため、屋敷内の同じところを彷徨っていた。
A「はぁ、びっくりした」
Aは自分の胸に手を当て、呼吸が整うのを待った。
一息つくと、ちゃんと前を向いていなかったのか、向かい側から来た御仁とぶつかってしまう。
A「んぐっ」
「わっ!?ごめんなさい、大丈夫ですか？」
A「い、いえ...こちらこそ前を見ておりませんでした。申し訳ございません」
「ん、貴方は確か三成様の...」
左右に結ばれた金の髪、物腰柔らかな顔立ちで、左目の下にあるホクロが妙にミステリアスな雰囲気を醸し出すその御仁は、Aの顔を覗き込むように顔を下げた。
「もしかして、A様ですか？」
A「は、はい。そうですけど...」
「あぁ、やっぱり。お会いするのは初めてですよね。僕は千利休と申します。以後、お見知りおきを」
千利休。
Aもその名くらいは耳にしたことがある。
茶人でありながら、あの豊臣秀吉に意見できるほどの位の高い御仁。
そして噂では、利休の中にはもう一人の利休がいるらしいが...。
利休「どうかされましたか？」
A「あ、いえ...お忙しいのに手間を取らせてすみません」
所詮は噂だ。
もう一人いるなんてそんなことあるはずがない、とAはそそくさと彼の横を通り過ぎた。
利休「あっ...
おいアンタ、待ちな」
突然変わった声色に、Aは思わず振り向いた。
先程まで左右にきちんと結ばれていた利休の髪はいつの間にか解かれ、縛るものが無くなった長い髪はまるで女性のように艶やかだ。
しかし顔つきはそれに似つかず、険しい顔立ちになっている。
利休「動揺してんのがバレバレなんだよ」
A「え？」
利休「サビ助、もっと穏便に...、てめぇは黙ってろワビ助」
Aから見てみれば、利休が独り言を話しているようにしか見えないが、実際利休(ワビ助)は利休(サビ助)と会話していた。
話を続けたのはサビ助だ。
利休「暇なら手を貸しな。アンタの許嫁の主が茶会を開くもんだからその準備が必要だとよ」
A「は、はぁ...」
人格がころころ変わる利休に、Aの頭はついていけていないようだ。
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三楓(プロフ) - みつさん» コメありがとうございます(*´∀｀*)更新頑張ります！ (2017年8月15日 21時) (
レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
みつ - 面白いです。これからも更新頑張ってください。楽しみに待ってます！ (2017年8月15日 17時) (レス) id: c881b9ad42 (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 三楓さん» ありがとうございます！ (2017年8月8日 20時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます(*´∀｀*)猿飛佐助オチですね！内容作成にしばらく時間がかかると思いますが、前向きに検討させて頂きます。 (2017年8月8日 20時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 三楓さん、お気に入り作者100人、おめでとうございます！そこで小説のリクエストなのですが、猿飛佐助オチを書いてほしいな･･･と思いますが出来ますでしょうか？ (2017年8月8日 20時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2017年7月15日 11時
