御伽噺 ページ48
利休「まだ夢を見ているという事実だけ分かればよかったのですが、それでは要件がすぐに終わってAさんが退屈になってしまうかと思いまして。茶室で色々話をしようにもここから出れないようですし即興で僕の考えた物語をお話ししようかと。もちろん、題材はAさんの夢ですが」
にこっと笑う利休の話を真に受けていたAは、恥ずかしさのあまり顔が高揚した。
A「実際にそうなんじゃないかってびっくりしましたよ！」
利休「すみません。あまりにも真剣に受け止めていらっしゃったので言い出せなくて。なんというか、Aさんって純粋ですね。人を疑わないと言うか…」
A「馬鹿にしないでくださいー！」
笑いをこらえきれていない利休に、Aはぽかぽかと彼を叩いた。
利休「で、でも思った以上に楽しんでもらっていたのでこちらとしては満足で…」
A「利休さんが真面目な感じて仰るからいけないんですよ！」
未だ笑いを堪える利休の髪が再び解け、さっきまで大人しかったサビ助が表れた。
利休「己の腹を何回捩れさせたら気が済むんだ手前はよぉ！己そろそろ笑い死にするぜ！」
A「まさか今の今までずっと笑ってたんですか？」
利休「あたりめーだろ！あのトンガリが「好きで何が悪い」とか言ったの想像したら笑わずには…だははっ！手前のせいでまた思い出したじゃねーか！」
A「それを読んだんですね」
利休「さっきのワビ助の御伽噺を真に受けたってやつも笑わずにはいられねぇだろ。あー腹いてぇ」
笑いすぎて眼尻に涙を浮かべた利休を見ながら、Aはむすっと顔をしかめた。
利休「手前中々面白いな。前までは災難な姫サンだと思ってたが訂正するぜ」
A「また馬鹿にしてるんですか？」
利休「賞賛してんだよ。あのトンガリが気に入るのも分からなくねぇな。見てて飽きねぇし。手前気に入った。笑わせてくれた礼に一つ忠告しといてやるよ」
笑わせた覚えは微塵もないのだけれど…と複雑な気持ちを抱えたまま、Aは顔をしかめたまま「なんですか？」と問いかけた。
利休「確かに三成は手前のこと気に入ってやがる。ワビ助が奴の心を読んだからそれは間違いねぇが…」
すると利休は急にAの頭を手で抑え付け、耳元でこう呟いた。
利休「奴は嫉妬深い。行動には十分気を付けろ。従順なふりや相思相愛のふりをすればちっとはマシになるが、下手な真似をすれば何をしでかすか分からねぇぞ」
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三楓(プロフ) - みつさん» コメありがとうございます(*´∀｀*)更新頑張ります！ (2017年8月15日 21時) (
レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
みつ - 面白いです。これからも更新頑張ってください。楽しみに待ってます！ (2017年8月15日 17時) (レス) id: c881b9ad42 (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 三楓さん» ありがとうございます！ (2017年8月8日 20時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます(*´∀｀*)猿飛佐助オチですね！内容作成にしばらく時間がかかると思いますが、前向きに検討させて頂きます。 (2017年8月8日 20時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 三楓さん、お気に入り作者100人、おめでとうございます！そこで小説のリクエストなのですが、猿飛佐助オチを書いてほしいな･･･と思いますが出来ますでしょうか？ (2017年8月8日 20時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2017年7月15日 11時
