影 ページ20
医務室の天井からする異臭に耐えられなくなったAは、自室で休むことにした。
A「...ふぅ」
三成が持ってきてくれた白湯を一口喉に通し、緊張しきった心を落ち着かせる。
目の前で人が死ぬ光景を初めて見てしまったのだ。
幸いにも死体は見ていないが、白湯を持つ手は未だ少し震えていた。
震えを抑えるように湯呑みをぎゅっと握りしめたその時、部屋の障子に人影が映る。
利休「Aさん、利休です。起きていますか？」
A「はい」
利休「大丈夫ですか？あの、斬られたりとかは...」
A「いえ、三成様が守ってくれました」
利休「そうですか。よかった」
A「利休さん、何も障子越しで無くとも...」
部屋に入らず、影のまま話す利休。
瞬間、頭部から突然ばさっと影が伸びたことから、次の言葉はサビ助のだろうと予想がついた。
利休「ったく、どいつもこいつも己達に罪被せやがって」
A「罪？」
利休「アンタを殺そうとした元凶はワビ助の鑑定のせいだとよ。そのせいで男はヤケになりお前を殺そうとした、って濡れ衣もいいところだぜ」
A「そんな、利休さんは何も悪くないですよ!?私が勝手に危険な目にあっただけで...」
利休「そうだ。全てアンタが勝手に殺されそうになっただけなんだよ。なのになんで己達が咎めを受けてアンタは咎め無しなんだ」
A「っ...」
三成は言っていた。
三成『本来であれば何かしらの咎めがあるだろうが、今回はお手柄だと半兵衛様が褒めておられた』と。
だからこのように責められるなど思いもしなかっただろう。
A「...ごめんなさい」
利休「ちっ、間に受けんなっつーの。ちょっと八つ当たりしただけだろうが。で？結局許嫁とは話せたのか？」
A「はい。私の誤解、だったようです。三成様はただ、敵から私を守っているだけだと」
利休「ふーん。似合わねぇことしやがるなアイツ。......Aさん、あれからまた夢は見ませんでしたか？」
A「あ、見ました！今回は少しだけ覚えています」
唯一夢の話が出来る利休に聞いてほしい一心のAは必死だ。
A「真っ白な寝室で私が母と呼ぶ人が居たんです！それからえっと...」
利休「真っ白な寝室...。それは具体的にどんな...」
突然利休の言葉がぷつりと切れる。
A「利休、さん？」
障子には、利休以外のもう一つの人影が映っていた。
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三楓(プロフ) - みつさん» コメありがとうございます(*´∀｀*)更新頑張ります！ (2017年8月15日 21時) (
レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
みつ - 面白いです。これからも更新頑張ってください。楽しみに待ってます！ (2017年8月15日 17時) (レス) id: c881b9ad42 (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 三楓さん» ありがとうございます！ (2017年8月8日 20時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます(*´∀｀*)猿飛佐助オチですね！内容作成にしばらく時間がかかると思いますが、前向きに検討させて頂きます。 (2017年8月8日 20時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 三楓さん、お気に入り作者100人、おめでとうございます！そこで小説のリクエストなのですが、猿飛佐助オチを書いてほしいな･･･と思いますが出来ますでしょうか？ (2017年8月8日 20時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2017年7月15日 11時
