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ジャム後の紅茶 ページ32

Aが持ってきた、イチゴを始めとするジャムをパンにぬって食べ比べていると、レジにいたおばさんが入ってきた。

「お待たせ……ってジャム出しすぎよ。あんまり食べると彼の体に悪いわ」

 Aはハッとしてスプーンをなめる舌を止めた。おばさんは笑いながらジャムを片付けると紅茶を作ってくれた。

 甘ったるい物の後の紅茶は格別にうまい。

「あっ、おい、砂糖入れすぎじゃないか」

 隣で五、六個角砂糖をいれるAに慌てる。なんせ、さっきまで大量にジャムなめてたんだぞ。

 だがおばさんは止めることなくニコニコ笑ってる。

「大丈夫よ。Aは個性を使うとき糖分を使うから、むしろたくさん摂らないといけないのよ」

 改めてAを見れば、おいしそうに紅茶をすすっている。

 ある意味女子にとっていい個性だな。

 おばさんは二人を見つめて頬杖をついた。

「良い友達ね、Aを心配してくれるなんて。

 あなた、お名前は?」

 慌てて姿勢を正す。

「俺は常闇踏陰です。急にお邪魔してすみません」

 とんでもない、とおばさんは手を振った。

サッ)私と同じA組

「あらあら、そうなの。どう、この子学校に馴染めてる?」

「……はい、大丈夫です。みんなと仲良くやっています」

 嘘だ。本当は緑谷達と少なからず溝がある。

 ほっと胸をなでおろしたおばさんは安堵のため息をついた。ツキリと常闇の心が痛む。

「良かった。ほら、この子話せないからまた孤立しちゃうかもって思っていたの。でもあなたみたいな人が友達なら安心ね」

 そう笑ったとき、チリンチリンと鈴の音が聞こえた。

「もうこんな時間。おじいちゃんにジャムを持っていかないと」

 おばさんが立ち上がろうとすると、Aが制して「私が持っていく」と見せた。

 Aがジャムを二、三ビン持って消えると、おばさんはくるりとこちらを向いた。

 後ろのアロマキャンドルがチチ、といって緊張が走った。









―――――――――――▽


※これからのお話はけっこう真面目な方向に行きそうです。ですので甘甘が減ってしまうかも……

 でも常闇くんのカッコいい姿を増やそうと思っているので、そのままスタンバイお願いします!

紅茶後の見定め→←リンゴジャム



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ちづる(プロフ) - いきなりリプ失礼します。キャラクターたちの心情や常闇くんの優しさ、夢主ちゃんの考え方めちゃくちゃ好きだと思いました。続編が読みたいのが本心なのですが... (2021年5月10日 5時) (レス) id: 97693b4be7 (このIDを非表示/違反報告)
ホープローズ - 速報!本日は私、ホープローズの誕生日なのでヴィラン連合・プロヒーロー・ヒーローの卵達からの祝いの言葉を貰いたいです。お願いします。 (2019年8月23日 12時) (レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - 常闇くん。常闇くん。ホントに好きです。大好きです。最高かよ( ˙-˙ ) (2019年7月31日 12時) (レス) id: 6ca8581b98 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - んぱ(・-・)!← (2019年6月18日 22時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
響香(プロフ) - 常闇くんチョー好きです!これからも宜しくお願いします! (2019年6月12日 17時) (レス) id: b61ceed5ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蔦虎 | 作成日時:2018年4月22日 0時

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