電車にゆらゆられ ページ28
放課後、Aの家へ行くために駅に向かった。ホームにはたくさんの人がいて酔いそうだった。
電車がくると一気に流れ込み、座れる椅子はなくなる。
どうにか乗れたが人とドアに挟まれて息苦しい。すると常闇はAが潰されないようにと人々とAをへだてて立った。
少し余裕ができて息をすう。
ガタン、と発車すると常闇くんはバランスを崩した。慣れてないみたい。
かわいいな、なんて思いながらのんびり電車に揺られていると次の駅に着いた。ただでさえ人が多い電車内にまた人が入る。ギュウギュウ。
常闇くんにもう少しで触れそう。
ハッ! そんなハレンチなこと考えちゃダメよA。常闇くんは守ってくれてるのに。
期待を抑えながらまた揺られ始める。
いつものところで大きく左右に揺れた。足元があやしくなった常闇はAに倒れかかる。
すんでのところでドアに手をついたが、後ろの人に圧されて服越しだが肌が触れ合う。
ふゅっ! 腕が真横に……!
「わ、悪い……」
(やっ、足が)
「悪い!」
Aの足の間から自分の足を抜こうとするが体を戻せない。
足も胸も、女子ってこんなに柔らかいのか……?
ハッ! 何冷静に考えてんだ踏陰。Aから早く足を抜かないといけないのに。
二人が赤面していると、また大きく揺れて常闇の足が一瞬、ほんの一瞬Aの奥に触れた。
ビクリと反応したAは常闇の服を握る。
「わ、わざとじゃないんだ」
Aはキッとにらんだ。
涙目。それに上目遣いで顔真っ赤……!
スリーアウトチェンジで理性と本能が入れかわる。
腰に手を添え、ドアに押しつけるようにして抱く。全身で感じる彼女の肩にあごを乗せれば、
「その顔はダメだ……もたねえよ!」
なんて、余裕のない声で耳元に囁くものだから、Aは思わず力が抜けそうになる。かろうじて彼の服をつかんでいることが頼みの綱だった。
冷静さを失った彼はぐいぐいと体をすり寄せる。熱でおかしくなったみたい。
でも、そんな常闇くんを拒めない私も頭がおかしくなったのかな。
(聞こえる、常闇くんの音)
彼もこんなにドキドキしてるんだ……。
肌のあたたかさに目を閉じ、羞恥心と闘いながら早く着いてと必死に願った。
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ちづる(プロフ) - いきなりリプ失礼します。キャラクターたちの心情や常闇くんの優しさ、夢主ちゃんの考え方めちゃくちゃ好きだと思いました。続編が読みたいのが本心なのですが... (2021年5月10日 5時) (レス) id: 97693b4be7 (このIDを非表示/違反報告)
ホープローズ - 速報!本日は私、ホープローズの誕生日なのでヴィラン連合・プロヒーロー・ヒーローの卵達からの祝いの言葉を貰いたいです。お願いします。 (2019年8月23日 12時) (レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - 常闇くん。常闇くん。ホントに好きです。大好きです。最高かよ( ˙-˙ ) (2019年7月31日 12時) (レス) id: 6ca8581b98 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - んぱ(・-・)!← (2019年6月18日 22時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
響香(プロフ) - 常闇くんチョー好きです!これからも宜しくお願いします! (2019年6月12日 17時) (レス) id: b61ceed5ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蔦虎 | 作成日時:2018年4月22日 0時