なくなったのは、君だけだった。 ページ5
一人きりの部屋に、私の嗚咽が響いた。
床に落ちていく水滴をとめる事も、拭う事も出来なくて。
居なくなっても、私の涙腺崩壊させないでよ。
馬鹿。馬鹿。馬鹿。
この部屋にも沢山、沢山思い出があるから。
余計泣けんじゃんか、馬鹿やろう。
ソファーで二人、映画観た日。
二人で料理して、魚焦がした日。
熱が出たって言ったら、有無を言わさず看病してくれた日。
一緒に金環日食を見たのも、誕生日を祝ったのもこの部屋だった。
思い出は沢山あるのに、君のものは、シュンのものは沢山あるのに、
なんでアンタは居ないんだよ。
馬鹿。忘れもんだらけだぞ…!
なんでなくなったのはアンタだけなんだよ。
どうせなら、全部なくなっちゃえば良かったのに。
待ってろよ、お前が羨ましくなるくらい、人生長生きしてやるからな。
頑張るから、見てろよ。
シュン。
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via - うわあああ!!悲しすぎるよ!何なの!すごく感動して…好きです(突然)他の作品も見に行きます! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 124b642d9c (このIDを非表示/違反報告)
木下穣玖(プロフ) - は?枕びしょ濡れじゃんか。どうしてくれんだよぉ! (2020年6月28日 23時) (レス) id: a598922371 (このIDを非表示/違反報告)
いちご猫(プロフ) - めっちゃ感動した……。文才ありすぎてやばい←語彙力停止 (2020年6月28日 20時) (レス) id: a4d9c4975d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月明 紗那 | 作者ホームページ:http://sana1117372
作成日時:2020年6月11日 13時