▽18 ページ19
.
『あの、これどうかな?』
どちらも話しかけず、重い空気の中やっとのこと口に出した。
幸くんにつくって貰ったワンピース。
真「…似合ってる」
『ほんと!?』
真「ほんと」
口下手だけど、褒めてくれてるってことで良いんだよね?
お姉ちゃん以外には扱いが雑だから、どうでもいいとか言われたらどうしようかと思ってたけど、嬉しい。
『どこか雑貨屋さん行きたいな!』
そうして、今日の本題へ。
訪れたのは、少し奥まったところにある雑貨屋さん。
お姉ちゃんはどちらかと言えば大人っぽいものが好き。
一番最初に目にはいった水色のブレスレットを買うことにした。
『真澄くんは何買うの?』
"…これ"と見せてきたものは、カレー柄のクッション。
よくこんなのあったな。確かに、お姉ちゃんだったらすごく喜びそうだけど。
お店のひとにラッピングをお願いして、外へ出ると視界の右側に教会が見えた。
さっきは気づかなかったのに。
『こんなところに教会があるんだ…ねぇ、行ってみてもいい?』
真「…わかった」
『ほんと?真澄くんならてっきりめんどくさいとか言うかと思ったよ』
真「監督との未来の為に下見…」
『ブレないね…』
やっぱり、真澄くんはどこに行ってもお姉ちゃんのことばかり。
仕方ないんだけどね。
中に入ると、女の子なら一度は憧れるであろう風景。
数段上がった先に花嫁さん達が将来を誓う場所がある。
理由はどうあれ、真澄くんとここに来れたことが嬉しい。
なんて、浮かれながら真澄くんを見ていると
真「…なんか暗くない?」
『へ?』
辺りを見渡すと、確かに入ってきたときとは違って薄暗くなっていた。
窓の外を覗くと、一瞬光ったと思ったら大きな音が響いた。
『…雷?』
天気予報では晴れだって言ってたのに。
外は大雨だ。
真「すぐ止む」
『…そうだよね!それまでここで雨宿りだね』
真「うん」
.
64人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Eva - 続きが気になります!楽しみに待ってます! (2019年10月7日 0時) (レス) id: a1f2b3bb01 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:咲那 | 作成日時:2019年9月7日 22時