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何かおかしいと感じ取ったときにはもう遅かった。必要以上に干渉する癖は友達にも及んでいったのだ。
そのせいで友達は一人だけ。それでも今は何年も連絡はとってないし、彼もそう思っているかはわからない。
飼っている動物も自分より早くいなくなってしまうし、そんな不安定な関係性を求めているわけじゃなく、ただずっと一生求め合うような、恋愛関係が伴うような相手が欲しかったのだ。
そんな日常にきっかけをくれたのは先生だった。
普段の学校生活ではそんな人間を見つけることができず、通う必要性をなくした僕に何かにつけて連絡をくれた。
最初はきっとただのひきこもりを対処したに過ぎなかったかもしれない。
こちらが求めてなくとも知識や教養を与えようと躍起になってくれる姿には感動したし、求めていなかった経験まで与えようとしてくれた。
そこまでして頑張る姿はある意味で変だと思ったが、自分にとって受け入れる他なかったというのと、これが自分のやりたいことなんじゃないかと思え、羨ましくて仕方なくなっていった。
彼は何かしらに没頭しないと生きていくことができない様子で、それの対象が僕。それをいいことに全ての世話をさせた。
その代わり彼に言われるまま高校に戻ったし、そのまま3年まで進級した。
しかし進学はしなかった。彼は大学への道を勧めたが、人付き合いに4年もかけるのは心が重く、それよりも先に自分の手で収入を得て大人になりたかった。
大人になりさえすれば、心が変化していけば、こんなくだらない欲に勝ち続けていける。
彼のように誰かを支配しながら大切に思うことができるんじゃないか、そう思ったからだった。
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さな(プロフ) - しおぱまさん» 相変わらず読みにくい感じですが、反応していただけて嬉しいです!笑 綺麗に終われるように頑張ります” (2019年11月30日 3時) (レス) id: 1fccd3e98c (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - わたしも最近離れてしまっていたのですが、またこうして新しいお話が読めるなんて嬉しいです( ; ; )とても好きな作品の続編、楽しみにしております (2019年11月28日 1時) (レス) id: 48270bbc4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな | 作成日時:2019年11月27日 9時