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「そ、その長内っていう人は」
「生きてるよ」
聞いてから、そりゃあ人を殺してたら刑期1、2年じゃ済まないかと思った。不幸中の幸いと言うべきか、パーくんが人の命を奪うようなことにならなくて良かった。
「オレは、パーを助けたい」
「助ける、って……？」
「金でムショから出してやるんだ。捕まっちまったダチをなんもせずほっとくとかありえねーだろ」
私はそこで眉根が寄った。
佐野の言っていることは、分かる。なんとかして刑務所からパーくんを出してあげたい、解放したい、そう思う気持ちも分かる。でも……
「でもパーくんは、自分の意思で罪を償おうとしてるんじゃないの？」
「あ？」
その瞬間、佐野からぴりっとした空気を感じた。殺気にも似ているだろうか、初めて彼から向けられる感情にほんの少し怯む。でもここで下がってしまったら、それは対等な関係ではない。私はぐっと腹の辺りに力を込めて、彼に自分の考えを伝えた。
「パーくんはきっと自分で覚悟を決めて、佐野やみんなに迷惑をかけないために自首したんだよ。それをお金で解決しようとするのは、ちょっと違うと思う」
「……」
「それに、もしそれでお金を出してパーくんを助けたとして、その後出てきたパーくんは余計に東卍に負い目を感じると思う。そしたらもう、対等な友達には戻れないかもしれない……佐野はそれでもいいの？」
佐野は私からすっと顔を逸らして、軽く俯いて目を伏せた。そして、小さな声でこう言った。
「……ケンチンと同じようなこと言うんだな」
「えっ？ケンチンくん？」
やっぱり、ケンチンくんもそう考えたんだ。佐野とは反対の、私と同じ考えを彼は持っていた。ということは……
「ねえさっき、エマちゃんから電話かかってきたの。エマちゃんが言ってた2人の喧嘩の原因って、このこと？」
「……」
彼は答えない代わりに否定もしなかった。これは肯定ということで良いだろう。
捕まったパーくんをお金で刑務所から出して助けようとした佐野と、自首したパーくんの気持ちを汲み取ろうとしたケンチンくん。友達を思いやった2人の考えが衝突して、結果的に喧嘩になっちゃったんだ。
「ダメだよ佐野、こんな時に喧嘩しちゃ……ケンチンくんはなんて言ってるの？」
「……」
「ケンチンくんも、パーくんをお金で助けようってするのは違うって言ってるんでしょ？それなら私もケンチンくんと」
「ケンチンケンチンうっせえよ！！」
次の瞬間、気が付けば強く腕を掴まれて、その場に押し倒されていた
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泣蜜(プロフ) - あ.....好きです....。未来での夢主ちゃんとマイキーの関係が気になります！毎日更新楽しみにさせてもらってます！ (2021年6月6日 1時) (
レス) id: 9a006c8713 (このIDを非表示/違反報告)
おろし(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ (2021年5月26日 17時) (レス) id: 47520b13da (このIDを非表示/違反報告)
柚香(プロフ) - 子@さぶ様の表現力素敵すぎます！マイキーかっこいい、、、続き楽しみにしております！ (2021年5月26日 10時) (レス) id: d9354e6a46 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 更新楽しみです！マイキーの独占欲半端ないかっこよすぎる、、、 (2021年5月25日 17時) (レス) id: 800746c1bf (このIDを非表示/違反報告)
しん(プロフ) - これからの展開にドキドキします...めちゃくちゃ面白くて毎日更新楽しみにしてます！！ (2021年5月25日 1時) (レス) id: cdf270dae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子@さぶ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時：2021年5月17日 0時
