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「どう、って……」
「もうマイキーのことは許せねえか」
「それはない！」
思わず食い気味に否定してしまったが、ケンチンくんがじっと静かにこちらを見つめていたので、少し恥ずかしくなって引き下がる。
「……確かにあの時は、ひどいって思ったし、怖かったけど。私にも悪いところはあったから、ちゃんと謝りたいって思ってるよ」
「で？」
「でも、……佐野が、怒ってるんじゃないかなって。私、嫌われちゃったかもしんない。思いっきりぶっちゃったから……」
「ぶっは！」
少し泣きそうな声色になった私の言葉を遮り、ケンチンくんが吹き出した。肩を震わせてかたかた笑い、涙を削がれて唖然とする私に「わーりぃわりぃ」とひらひら手を振った。
ひ、ひどい……人が泣くほど真剣に悩んでるのに！
「いやー悪い、ンな悲しそうなツラで的外れなこと言うからよ、面白くて」
「的外れって……私真剣に考えてるんだよ！？」
「ソレが的外れなんだよ。アイツ、嫌うどころかずーっとケータイとにらめっこして電話かけっか悩んでやがんだよ。相手はオマエ。ぶつくさぶつくさ、Aのおにぎりが食べてーとか、まだ怒ってんのかなとか、今仕事かなとか、ンなんばっか言ってんだぞ？ウチの総長サマがよ、オンナ1人になっさけねぇ」
あーアホらし、とケンチンくんは立ち上がって出口の方へ向かって行った。彼の言った言葉が上手く処理しきれなかった私は、時間差で「あ、まって！」と彼の背を追った。
ケンチンくんの言ってることが本当なら……私は佐野に嫌われてない？佐野も、私と同じ気持ちってこと？ケータイとにらめっこしては、謝りたい、会いたい、でも会うのが怖いって思っちゃう私の気持ちと同じかな。同じで、いいのかな。
「オマエの思ってること、アイツに全部伝えてやれよ。遠慮なんかすんな。殴りたくなったら殴ってやれ」
「……うん。ケンチンくん、ありがとう」
「明日祭りで露店出すんだってな。頑張れよ、買いに行くわ」
「あ、エマちゃんと来るの？みんなの分置いとくね！」
「おー、オマケしてくれよ。じゃーな」
ケンチンくんは、ちらりと父ちゃんを見やってお邪魔しましたと最後に言って出て行った。本当にこういうところちゃんとしてるよなぁケンチンくん……
うちの父ちゃんは、店によく来る東卍メンバーの中でも特にケンチンくんを気に入ってるらしく、しょっちゅうオマケしている。食べた瞬間に爆睡する佐野のことはよく睨んでるけど、謎の愛嬌のある彼のことも少し気に入っている様子だった。
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泣蜜(プロフ) - あ.....好きです....。未来での夢主ちゃんとマイキーの関係が気になります！毎日更新楽しみにさせてもらってます！ (2021年6月6日 1時) (
レス) id: 9a006c8713 (このIDを非表示/違反報告)
おろし(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ (2021年5月26日 17時) (レス) id: 47520b13da (このIDを非表示/違反報告)
柚香(プロフ) - 子@さぶ様の表現力素敵すぎます！マイキーかっこいい、、、続き楽しみにしております！ (2021年5月26日 10時) (レス) id: d9354e6a46 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 更新楽しみです！マイキーの独占欲半端ないかっこよすぎる、、、 (2021年5月25日 17時) (レス) id: 800746c1bf (このIDを非表示/違反報告)
しん(プロフ) - これからの展開にドキドキします...めちゃくちゃ面白くて毎日更新楽しみにしてます！！ (2021年5月25日 1時) (レス) id: cdf270dae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子@さぶ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時：2021年5月17日 0時
