宮侑に告白したと思ったら治の方だった。[2]

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その日の夜、興奮気味に弟から電話がかかってきた。


『ねえちゃん！テレビで試合見たよ！治にーちゃんと侑にーちゃんの攻撃すっげーかっこよかった！ひとしにーちゃんのサーブちょーつよかった！りんたろーにーちゃんのブロックもかっこよかった！ねーちゃんもちょっとテレビ映ってたんだぜ！』


怒涛の褒め言葉に押されつつ、うん、うん、と相槌を打っていたが、急に弟が恋しくなって若干のホームシックを感じた。兵庫に早く帰りたい。


『侑にーちゃんたちとしゃべりたい！今一緒にいないの！？』


拓也の要求に、少し言葉が詰まった。

マネージャーの私は選手たちとは別の階に部屋を用意されていたので寝る時はもちろんはなれていたが、昨日までは陽気に私の部屋に4人が遊びに来たり明日の相手校のことを喋りに来たりしていた。

しかし負けた悔しさからか、彼らは私の部屋に遊びに来たりせず、夕飯を食べるとすぐ自分たちの部屋に籠ってそのまま出てこなかった。思うところは私なんかより山ほどあるのだろう。

何より、侑くんには今の拓也の言葉はきっと受け取れない。いつもなら全ての言葉を褒め言葉として受け取って調子に乗る彼だが、今日のような日に限っては「だからなんやねん。負けたんやから全部一緒じゃ」と一蹴してしまいそうだ。


「……みんな疲れてるから、もう寝てると思うよ」

『そっかぁ……また家に来てって言うといてな！』

「うん」

『2位のお祝いせな！』

「それは多分嫌がると思うけど……」


2位のお祝いというていではなく、インターハイお疲れ様の名をとらないと、少なくとも絶対に侑くんは来ないと思う。さっきも銀島くんに、準優勝なんかビリと同等じゃ！優勝って付けんな余計腹立つ！と喚いていたのを見た。


『それとなーねえちゃん、ばーちゃんからまた連絡あったでー』

「えっ？」

『いつものやんか。墓参りと月桂会。東京かえるでー』


はっとして慌てて手帳を見た。

……そうだ。全国大会とテストですっかり忘れてたけど、もうすぐだったんだ、毎年恒例の地元帰りと親戚の法事と集まり。

でもその辺って確か、まだ春高に向けて部活の練習みっちり詰まってたんじゃ……


「……やばい」


ケータイに入れていた予定も見返そうとしたその時、私は一通のメールが届いていたのに気が付いた

開くとそれは、地元の幼馴染からの連絡だった



『おまえ、夏休み１回地元帰ってくんだろ？また合宿でうちのマネージャーしてくれたら助かるんだけど』

びみょう。→←いんたーはい。

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