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すっかりしょぼくれモードというものに入ってしまったらしい木兎さんにあわわと慌てていると、「なにしてんの?」とタオルで汗を拭うてつろーが来た。赤葦さんは呆れ顔だった。
「私が余計なこと言っちゃった……」
「ハ?」
「いやAさんが言ってること的確だと思うよ。メンタル面は本人がいちばん自覚してるから……」
「だいたいなんの話か分かったわ」
しょーもねえ、と一蹴するてつろー、ほんとすんませんと申し訳なさそうな赤葦くん、余計なことを言ってしまったかもとおろおろする私。
その3人を背に、木兎さんは急にばっと立ち上がって「よっしゃ全部アランに勝てるように練習だ練習!赤葦も黒尾も付き合え!!」と叫んだ。テンションが0か100、声のボリュームが1か100しかない木兎さんに何故かごっそりメンタルを削られた私はそのまま帰ろうとしたが、「稲荷ガールも手伝って!」と要求されたので留まることになってしまった。最後まで赤葦くんに謝られてしまった。
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次の日は法事があったのでまた家に戻り、親戚の集まりの方の手伝いにてんてこ舞いとなり、マネージャーの仕事に戻れたのは合宿最終日の前日だった。その日の第3体育館組には自主練のメンバーが増えていた。烏野と音駒の1年生が、3人。
「ヘイヘイ稲荷ガール!進化した俺のスパイクを見届ける気はないかね!」
「Aさんです、木兎さん」
相変わらず冷静なツッコミの赤葦くん。なんか、尾白先輩とはまた違う熱のないツッコミだ。赤葦くんってちょっと北さんに似てるかも。いや、北さんよりは表情豊かだし強気なプレーも多いか。
「イナリガール?Aさんっておいなりさん好きなんすか?」
「いや私の高校が稲荷崎だから……」
「イナリザキ!ってあれ、なんか聞いたことある!です!」
灰羽くんの言葉に返そうとすると、食い気味に烏野の小さい子、なんだっけ、日向くんが入ってきた。
「……稲荷崎ってIH準優勝したとこですよね。なんで関西の人がこの合宿に?」
「私元々このへんに住んでたから、この時期になると毎年こっちに帰ってこないといけなくて……で、昔てつろーとけーちゃんの家の近くに住んでて幼馴染だったから、そのなじみで音駒のお手伝いに」
「い、インターハイ準優勝!?」
烏野の大きなメガネくんの言葉に急におののく日向くん。なんか、日向くんって既視感あるんだよな。なんだろう。
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亜莉沙(プロフ) - すごい続きが気になる終わり方...! (2020年12月21日 15時) (レス) id: 363b9c8c34 (このIDを非表示/違反報告)
みやすなすー - 続き見たかったよぅっ…! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 22d4d41058 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず。(プロフ) - 子さんの書く夢主ちゃんと双子の掛け合いが可愛らしくて大好きです!更新楽しみにしています!お身体に気をつけてください! (2020年4月20日 3時) (レス) id: 6fdce1ba75 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん(プロフ) - 大好き過ぎて更新楽しみにしてます!笑 (2020年3月21日 0時) (レス) id: 0a5ad8d0ef (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 更新お疲れ様です!私も見る専です!笑 (2020年3月20日 16時) (レス) id: 94878ef260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時:2020年3月15日 0時