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周りがザワザワとそのお下げ髪の彼とこちらを見やる中、予想外の早すぎる再会に私はただただ固まっていた。どう反応したらいいか分からず立ち尽くす私の方へズカズカと歩いて来たかと思うと、彼は私の手を取って「攫っちゃっていい？」なんて、とっても悪いことを言うものだから、訳の分からないまま私は「だめです！」と反射的に返してしまった。拐われるのは、とても困る。
というか、拐うって、一体どこに？どうして私？拐われた先で何をされるの？と目をぐるぐる回す私に、彼はくすっと嘲るような笑いを零した。
「そこでフツー断る？ほんと変なオンナ」
「あ、あの、どうして此処に……」
「だから攫いに来たっつってんじゃん。断られても攫うから」
「え、困ります！って、うわわ、っ」
彼は元々掴んでいた私の手を引っ張って、向こうに停めてあった黒い車に強引に私を押し込んだ。後部座席に乗せられ、私の後に隣へ座ってきたお兄さんは、運転している柄の悪そうな人に「出して」と一声かけた。彼がドアを閉めると共に発進した車の中で、私はちょっと！とお兄さんに抵抗する。
「あの、こ、困ります！私、何か失礼なことしましたか！？したなら謝りますから、こんな……」
「えーされてないけど？」
「じゃあどうして、」
「んー、誘拐したいなって思って」
「そんな……」
言っていることがめちゃくちゃだ。これって本当に誘拐？もしかして私、とんでもない事になってる？
「さーてどこ行く？どこ行きたい？なんか欲しいものとか見たいもんとかある？あ、なるべくオマエの行ったことない所で」
「へ……？」
てっきりなんの選択肢も与えられず攫われ、臓器売買でもされるのでは、なんていうところまで思考が及んでいた私に投げ掛けられた質問は唐突なものだった。攫ったのはこの人なのに、行先は決まってないの？
「あの、本当にどういう……」
「あーもうダルいなぁ、まどろっこしいのはナシでいーじゃん。良いから行きたいトコ、欲しいもの、なんか言えって」
めちゃくちゃだ……そんなの、急に言われても困る。いきなり学校に押しかけてきて、車に私を押し込んだかと思うと行きたい所はどこだって、本当にむちゃくちゃな人だ。
(欲しいもの、か……)
うーん、と考えてみて、私は唐突に思い付いたものを素直に口にする。
「アクセサリー、とか……？」
「おー、簡単じゃん。行先決まったな」
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名無 - 神すぎる。占ツクでここまで完成度の高い作品は久々に見ました。 (2022年2月13日 13時) (
レス) @page25 id: 918f2226ec (このIDを非表示/違反報告)
桜妃(プロフ) - 作者様語彙力ありすぎでは…！？更新楽しみにしてます！ (2021年9月6日 3時) (レス) id: 16f20e3b96 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴ子(プロフ) - はじめまして…こんなに作品に引き込まれたのは初めてです；；主様のペースで更新楽しみにしております！ (2021年8月26日 12時) (レス) id: de92cbd6b8 (このIDを非表示/違反報告)
しいい - すごく好きです！続き楽しみにしてます！！ (2021年8月26日 1時) (レス) id: 69df95b685 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 大っ好きです！蘭ちゃん…可愛すぎる…更新楽しみにしてます\(//∇//)\応援してます！ (2021年8月25日 22時) (レス) id: f64d60a5d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子@さぶ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時：2021年6月30日 23時
