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Noside


銀時「オイオイどこだよ、ココ?悪の組織のアジトじゃねェのか?」


Aたちが沖田に連れてこられたのは江戸の地下にある裏世界の者たちの街だった。


沖田「アジトじゃねェよ、旦那。裏世界の住人たちの社交場でさァ」


沖田の視線の先には一本の通路があった。
その奥にはポッカリと口を開く何かがあって、
近づくにつれ歓声が大きくなる。


銀時「こいつァ…地下闘技場?」


闘技場のちょうど真ん中にはポッカリと空いたスペースがあり、そこでは二人の男が戦っていた。
その四方は観客達で埋められていた。


沖田「煉獄関…ここで行われているのは、正真正銘の殺し合いでさァ」


鬼の面を被り、棍棒を持った男が、もう一人の刀を持った男を殴り殺した。


司会「勝者・鬼道丸!!」


一気に湧き上がる観客たち。
まるであの男が勝つことを皆知っていたように。


新八「こんなことが…」

銀時「賭け試合か…」

沖田「こんな時代だ。侍は稼ぎ口を探すのも容易じゃねェ。命知らずの浪人共が金欲しさに斬り合いを演じているわけでさァ」

『そりゃ、真剣使った斬り合いに、賭けまで絡むときたら、みんな飛びつくよね』

銀時「趣味のいい見せ物だな、オイ」

神楽「胸クソ悪いもん見せやがって!眠れなくなったらどーするつもりだ、コノヤロー!」


神楽は沖田の胸ぐらを掴み、大声でそう叫んだ。


新八「明らかに違法じゃないですか。沖田さん、アンタそれでも役人ですか?」


あの沖田がこんなもの放っておくわけがない、と考えたAの結論がこれだった。


『……役人だからこそ手が出せないんじゃないの』

沖田「あぁ、ここで動く金は莫大だ。残念ながら人間の欲ってのは権力の大きさに比例するもんでさァ」

銀時「幕府(おかみ)も絡んでるっていうのかよ」

沖田「ヘタに動けば真選組(うち)も潰されかねないんでね。これだから組織ってのは面倒でいけねェ。自由なアンタがうらやましーや」


沖田は着物を正しながら、銀時を誘導するようにそう言った。




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作者名:花遥 | 作成日時:2019年12月26日 2時

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