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Noside


響き渡る土方と銀時の悲鳴。


新八「やられた。今度こそやられた」


現在、Aたち四人は屯所の隅にある蔵に隠れている。


沖田「しめたぜ。これで副長の座は俺のもんでィ」

新八「言ってる場合か!」

『ぐへへへへ、これでみんな丸く収まる…』

新八「Aさんはしっかりしてください!!」

沖田「オイ、誰か明かり持ってねーかィ?お、蚊取り線香あった」

新八「なんだよアレ〜なんであんなんいんだよ〜」

神楽「新八、銀ちゃん死んじゃったアルか」

沖田「実は前に土方さんを亡き者にするため外法で妖魔を呼び出そうとしたことがあったんでィ。
ありゃあ、もしかしたらそん時の…」


蚊取り線香を五本重ねて一気に火をつけながらヤバいことを言う沖田。


『てめェか!!私たちをこんな目に合わせたのは!!殺してやる!今すぐ殺してやるゥ!!』

新八「Aさん!落ち着いてェ!!」


今にも飛びかからんとする勢いの(主人公)を新八が必死に宥めている。


神楽「元凶はお前アルか。おのれ銀ちゃんの敵!!」

新八「あー、もうせまいのにやめろっつーの!」


そう、この蔵は狭い。
故に二、三人暴れるだけで、いっぱいいっぱいである。
そしてこの時は戸がガタガタするほどの暴れようだった。


新八「なんでお前ら会うといっつも…」

『ひ、……』

新八「ん、どうしたんです?Aさん」


生憎Aは既に気を失っている。

Aが見つめていた方向には戸があるだけのはず(・・)だった。



新八「……ぎゃああああああ!!!でっ……でっでで、出すぺらァどォォォ!スンマッセン、とりあえずスンマッセン。マジ、スンマッセン!」

ガンガンと頭を何度も地面に打ち付ける新八。
既にこの数十秒間に三十回ほど土下座を繰り返している。


新八「てめーらも謝れバカヤロー!人間、心から頭さげればどんな奴にも心通じんだよ、バカヤロー!!」


もうヤケクソで、沖田と神楽の頭を凄い勢いで地面に打ち付ける。
まるで借金取りに頭を下げる哀れな父のようである。


新八「あのホントォ!くつの裏もなめますんで。勘弁してよォ、マジで」


いやそもそも幽霊に足はない。


新八「僕なんて食べてもおいしくない…ん?アレ?」





新八「…いない。な…なんで………?」


神楽と沖田は既に新八の驚異的な腕力によりねじ伏せられているため、蔵には新八と、沖田の手に握られた蚊取り線香の煙だけが残っていた。






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作者名:花遥 | 作成日時:2019年12月26日 2時

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