番外篇.女だからといって拳ではなく、刀で喧嘩してもいいのだろうか ページ46
時雨side
「ねぇ、総悟。私のいちごプリン盗ったヤツ、心当たりない?」
「あぁー、ありやせん」
「それが最期の言葉でいいかな」
主人公である私がこんな言葉を発しているのには訳がある。
今日の午後三時頃食堂の冷蔵庫にしまってあった私のいちごプリンが姿を消した。
ちゃんと名前書いてたのに。しかもフタに。
そして、なんとまぁ聞き取り調査をしていたところ、犯人は総悟らしい。
ということで私はこの天敵を葬りさろうとしているところである。
「なんでィ、そんなにイライラして。更年期か」
「誰がババァだァァ!」
とりあえず刀で斬った、と思ったけど嫌にすばっしっこいコイツは避けやがった。
「チッ」
「しゃーねーなぁ、じゃ俺のタバスコあげやす」
「んなもん誰がいるかァァ!!」
二回目も避けられた。クソが。
あの後何度斬っても避けやがるので私は諦めて、素直にお願いすることにした。
「じゃあもう一個買ってきて」
「誰がンな事するか」
「一回逝ってくれないかな」
そこで私はいいことを思い出した。昨日神楽が言ってたこと。
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「なになに、どしたの」
「銀ちゃんがこうすればなんでも買ってくれるって言ってたアル」
俗に言う上目遣いというものだろうか。申し訳ないが私には効かない。
「ごめんね、神楽ちゃん。私、それ効かない」
「え"ー、じゃあ私の酢昆布は誰が買うアルか!」
「酢昆布なら私が買ったげるよ」
「マジアルか!」
「まじまじ」
「うぉっしゃァァァ!!」
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「………」
「総悟?」
早速やってみたが、ダメだった。当の総悟がそっぽを向いてしまった。
「はぁー、失敗かー」
「……買ってきてやりまさァ」
「え、今なんて…」
今神に見えたよ、あの総悟が神に見えちゃったよ。
「だから買ってきてやるっつてんだろィ。もしかして要らねェんですかィ」
暗黒微笑だ。生で見るのは二、三回目かな、ウン。
「欲しい欲しい欲しい欲しい!!」
「じゃ“この愚かなわたくしめに買ってきてださい、総悟様”って言いなせェ」
あ、やっぱりクズだったわ。
あの時、彼の顔が真っ赤だったことを彼女は知らない。
--------キリトリ線--------
どうも作者です!話数もいっぱいになってきたので、ちょうどここらで続篇に突入したいと思ってます!これからもよろしくお願いします!
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作者名:花遥 | 作成日時:2019年10月3日 22時