第二十九話 ページ30
「〜♪」
『……？？』
何だこの状況は。
リンタロウくんはただニコニコしながら
わたしの頭に手を置いて撫でるだけ。
不思議に思いながら『リンタロウくん？』と声を掛ける。
ひとしきりわたしの頭を撫でたリンタロウくんはいつもの調子で笑った。
「いや〜、
いきなり生きてる？なんて聞くから、
てっきり自’殺でもするほど精神的に来ちゃってるのかと思って♪」
『はは……それはしてないよ。
あと、この状況で精神的に来てない方が普通はおかしいでしょう。』
「確かに♪」
そんなこんなで話をしているうちに落ち着いてきた。
そうして冷静に考えてみると、
昨日どうにか先に逃がしたユキナリくんの事が心配でならない。
時間を稼ぐなんて偉そうなことは思ったけど、
結局あの後気絶させられただけで何も出来なかったしな……
とにかく今はユキナリくんの様子を見に行こうかな。
『……っと、そうだ。リンタロウくんごめんね。
わたしちょっとユキナリくんのところに行かないと。』
「え〜なんで？」
『ちょっと確認したいことがあるんだよね。』
「ふーん……、そっか♪」
『うん、いきなり変な話に付き合ってくれてありがとうね。
それじゃあね、リンタロウくん。』
「またね〜♪」
そう短く言って駆け足で病室を忙しなく出て行くわたしの後ろ姿を、
じっとリンタロウくんが見ていたことには気づく余地もなかった。
「……本当に、どこまでもお人好しで自己犠牲心が強いんだね。」
＿＿＿
『ユキナリくん、いるよね……？』
まさか、あの後殺されたわけじゃないよな……？
違うよね、違うはず……
不安な気持ちを隠しながらすぐ隣の大部屋に向かうと
ちょうど見慣れた服装の、
『ユキナリくん！』
「Aちゃんっ……！！」
『よかっ「ごめんなさいっ！！」……え？』
そう言って今にも泣きそうな顔をしながら、
わたしの両肩に手を置いて項垂れてしまうユキナリくん。
突然の出来事にわたしも少し慌ててしまう。
鼻をすする音が小さく聞こえる、
え、ええ、なんで泣いているの……！？
『ちょ、ちょっと落ち着いて……
大丈夫だよ、大丈夫……な、なんで泣いてるの、？』
「お、俺……Aちゃんを置いて一人でっ……！
最低だ……」
『あれはわたしがそうやって言ったから……
ユキナリくんが気にすることじゃないさ。』
「……でも、結局俺は、自分の身が一番の人間だったんだ。」
『……』
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朝倉 - 凄い面白いです!そうしろうと夢主ちゃんの距離感大好きです!!更新がんばって下さい応援してます! (2018年10月31日 22時) (
レス) id: ea1d87dedf (このIDを非表示/違反報告)
夢 - え。普通に好きです。ソウシロウの夢小説作ってる方少ないから嬉しい！頑張ってください！ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 3b3cdc241a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2018年10月28日 14時
